釧路市の幣舞橋に現れたラッコの「クーちゃん」。 珍現象として注目されているが、北海道にやって来るラッコは今後さらに増える可能性があるという。漁業被害を心配する声もあり、研究者らは、北方4島にある繁殖地の調査を急ぐべきだと訴えている。 ◆目撃件数は増加◆ 明治以前の北海道でラッコは珍しい動物ではなかった。「ラッコ」という言葉はアイヌ語起源であり、道内の遺跡からラッコの骨も見つかっている。また、江戸時代に北海道を探検した松浦武四郎の文献にも登場する。しかし、毛皮を求めて乱獲され、20世紀初頭には北海道から一時期姿を消したとされている。 道内で再び目撃されるようになったのは1980年代からだ。90年代半ばからは根室市の納沙布岬を中心に目撃数が急増。7年前からは襟裳岬にも定着しており、ラッコの出没は珍しい現象ではなくなった。 ただ、警戒心が強いラッコが、人の多い街中の川に現れることは、めったにない