農作物被害が問題になっている鹿やイノシシを、欧州でジビエ(狩猟鳥獣肉)と呼ばれる高級食材として売りだそうという取り組みが増えるなか、産地間競争が激しくなっている。肉が十分活用されず、個体数の増加を食い止めるほど捕獲されない状況は変わるだろうか。 もも肉のローストや首肉の煮込み――。東京・三軒茶屋のレストランで1月下旬、鳥取県産の鹿肉を使った料理が披露された。駆けつけた平井伸治知事は「本当においしい肉を提供するように努力している」とアピールした。参加者からは「臭みがない」と好評だった。県とNPO法人ビーグッドカフェが手がけた鹿肉普及キャンペーンの一環。16日まで都内6カ所のレストランで鹿肉料理が提供される。 おいしく食べるためには高級魚と同じように前処理が欠かせない。鳥取県では、狩猟者から飲食店までの関係者で協議会をつくり、研修会などで解体や衛生管理の技術向上に努めてきたという。