【ソウル=牧野愛博】朝鮮中央通信は9日、北朝鮮国内で新型インフルエンザの発生を確認したと初めて伝えた。北朝鮮保健省が、平壌と中朝国境に近い新義州で計9人の感染者の発生を確認した。感染拡大を防ぐため、検疫体制の強化を急ぐという。 一方、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)機関紙・朝鮮新報(電子版)は9日、平壌市内にある幼稚園から大学までの全学校が予定を早め、7日から冬休みに入ったと伝えた。5日には、同市の全医療関係者を集めた講習会が行われ、風邪の症状が確認されたら直ちに防疫委員会に通報するよう指示が出た。 北朝鮮はこれまで感染の事実を否定していたが、韓国のNGOや脱北者らが中朝国境近くなどで感染者が発生し、死者も出ているとする未確認情報を伝えていた。 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は8日の閣議で、事実関係の確認と対北人道支援を指示した。