最先端テクノロジーの起源は仏具:なぜ島津製作所はノーベル賞企業になれたのか~歴史から学ぶ成長する企業の必須要素(1/2 ページ) 唐突だが「仏具」は、ご先祖様や神仏をお祀りする伝統的宗教用具である。極めて前時代的なアイテムのように思う人が多いのではないか。 さにあらず。実は、仏具は日本のものづくりの原点であり、京都の仏具商からは最先端テクノロジーをけん引するグローバル企業が生まれているのだ。それが島津製作所である。新型コロナウイルスに関しても、いち早くPCR検査試薬を開発するなど、注目を集める企業だ。本稿では今から150年前にさかのぼり、島津製作所の成り立ちを追いつつ、日本の製造業の原点に迫りたいと思う。 最初に宗教用具の国内製造出荷額を見てみよう。ピークは1990(平成2)年の1299億円で、以降、減少傾向にあり、2016(平成28)年時点で442億円となっている(経済産業省製造産業局調