今年のノーベル化学賞に決まった根岸英一・米パデュー大学特別教授(75)と鈴木章・北海道大学名誉教授(80)は、パデュー大の故ハーバート・ブラウン博士の下で学んだ同窓生だが、2人とも、受賞対象となった技術について特許を取得しなかったという点でも共通している。 経済的なメリットは逃したかもしれないが、特許を取らなかったことで技術は世界へ広く普及し、研究者最高の栄誉へと道を開く一因にもなった。 根岸氏は6日、受賞者発表会場のストックホルムからの電話インタビューで、クロスカップリングについては特許を取得しなかったと明かした。根岸氏は「特許を取得しなければ、我々の成果を誰でも気軽に使えるからと考え、半ば意識的にした」と述べた。