5月10日、パナソニックは2013年3月期決算が7542億円の最終赤字になると発表し、前期(7721億円の最終赤字)に引き続き2期連続の巨額赤字を計上することとなった。 そのパナソニックを1987年から20年以上にわたり取材するノンフィクション作家・立石泰則氏が、2月に『パナソニック・ショック』(文藝春秋)を上梓し、同社迷走の原因や内実、そして今後の再建策について綴っている。その立石氏に、 「パナソニック低迷を招いた中村・大坪路線の失敗」 「津賀改革の実情と、立ちはだかる壁」 「パナソニック復活のカギとは?」 などについて聞いた。 –まず、『パナソニック〜』を書かれたきっかけについて教えていただけますでしょうか? 立石泰則氏(以下、立石) デビュー作『復讐する神話 松下幸之助の昭和史』(文藝春秋)で、“経営の神様”といわれる松下電器産業(現・パナソニック)創業者・松下幸之助さんでさえコンピ