これまでのリチウム(Li)イオン2次電池(LIB)のリサイクルは、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)が主なターゲット。Liは回収して再資源化する材料のリストに入っていなかった。Liの価格がNiやCoなどより安い上に、そもそもの資源量が多く、枯渇の心配がない。一方で、Liの回収や再生は技術的に難しく、経済性がまったく成り立たないと考えられていたからだ。現時点でもパナソニックとトヨタ自動車の合弁会社であるプライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES) 代表取締役社長の好田博昭氏はLiのリサイクルは考えていないとする。「Liの現在の高騰は短期的な現象。その後の供給は足りてくる」(同氏)。 ただ、その楽観論は、主要な調査会社では2021年半ば以降、大きく悲観側に振れている。Liの供給が需要増に追い付かない状況が当面続くとみているのである。リサイクル事業者の中にも、Liの回収を視野に入れる