住友商事は2000億円をかけて全国に蓄電池を設置する。太陽光や風力などで発電した電力が需要を超えた場合などに蓄電池にためて、必要に応じて放出する。政府は再生可能エネルギーを主力電源と位置づけている。伊藤忠商事やENEOSも同様の取り組みを進めており、主力電源に必要な安定供給に向けて前進する。住商は熊本県にあるJR九州沿線の遊休地に容量約6000キロワット時の蓄電池を設置した。今後九州で4万キロ
政府が公募する大規模な洋上風力の第2弾の入札に、伊藤忠商事や東京ガスなどが応札を検討していることが分かった。対象は、長崎・新潟・秋田の4海域で、総出力は原子力発電2基分の約180万キロワットに上る。20社前後が応札に参加する見通しで、脱炭素の本命の洋上風力を巡る競争が激しくなってきた。2回目の入札対象は秋田県八峰町と能代市沖、秋田県男鹿市と潟上市及び秋田市沖、新潟県村上市と胎内市沖、長崎県西海
2021年のクリスマスイブ、エネルギー業界に風力発電ショックが走った。経済産業省と国土交通省が再生可能エネルギー海域利用法の入札に基づく3地域の事業者を公表し三菱商事系がすべて落札したが、驚くべきは供給価格。入札の上限価格が1キロワット時当たり29円に設定されたのに対し、11・99―16・49円と半値からそれ以下での落札だ。2021年度の着床式洋上風力発電の固定価格買取制度(FIT)価格は32円。今後、一気に価格が下がるのか、業界は戦々恐々としている。(編集委員・板崎英士) 「これでフェーズが変わる」。週明け、今回入札したあるエネルギー企業のトップはこううなった。国内の洋上風力発電は黎明期にある。遠浅の海が少なく着床式に向かない地形だが、浮体式はまだ開発途上。このため国は再エネ海域利用法に基づき「秋田県能代市・三種町・男鹿市沖」、「秋田県由利本荘市沖(北側・南側)」、「千葉県銚子市沖」を促
造船会社などが、アンモニアを燃料に使う船の開発に相次ぎ乗り出している。アンモニア燃料船は、航行中に二酸化炭素(CO2)を排出しないことから、脱炭素化時代の海運を支える重要な存在になるとみられている。このため海運会社やエンジンメーカー、関係機関を含めてオールジャパンに近い開発体制を組み、造船のシェア争いで後れをとる中国勢や韓国勢に先行したい考えだ。 「リスクを恐れず、ベンチャー精神を持って果敢にチャレンジする先駆者でありたい」 日本郵船の横山勉グリーンビジネスグループ長は、アンモニア燃料船の開発に向けた意気込みをそう述べる。 日本郵船や船舶の設計などを手掛ける日本シップヤード(NSY)などは10月26日、2種類のアンモニア燃料船を開発する計画を発表した。まず2024(令和6)年度にタグボート(内航船)を、2年後にはより大型の輸送船(外航船)を完成させる考えだ。 外航船では、日本郵船が設計や法
川崎重工業は5月6日、水素を運搬する船に搭載する、世界最大容積の貨物格納設備を開発したと発表した。設計基本承認(AiP)を日本海事協会から取得した。水素は次世代エネルギーとして注目されている。 今回、開発した貨物格納設備は、マイナス253度に冷却することで体積を800分の1にした極低温の液化水素を大量海上輸送するためのもので、舶用の液化水素貨物格納設備として世界最大の容積となる。 この設備は、同社が建造した世界初の液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」(試験運用中)の、設計・建造技術および安全性に関する技術を活かして開発した、新しい方式の断熱構造を有する貨物格納設備だ。 極低温の液化水素の大量輸送するため、大型LNG船と同等のタンク容積としてた。船体から独立した自己支持方式を採用し、極低温の液化水素積載時の熱収縮に柔軟に対応する構造とした。外部からの侵入熱により発生するボイルオフガスを低減す
電源開発(Jパワー)は2月1日、次世代環境対応エネルギーとして注目されている水素を、褐炭ガス化・水素精製設備で製造開始したと発表した。 豪州ビクトリア州の褐炭から水素を製造・貯蔵・輸送し、日本国内における水素エネルギー利用までをサプライチェーンとして構築する「日豪水素サプライチェーン構築実証プロジェクト」の一環。 褐炭は、石炭化度が低く水分や不純物が多い低品位な石炭。豪州ビクトリア州には大量の褐炭が存在しているが、水分を多く含み、乾燥すると自然発火のリスクが高いことから輸送が難しく、採掘地周辺の発電所での消費といった限定的にしか利用されていない。 Jパワーは、プロジェクトで未利用の褐炭から水素を製造する分野を担当している。今回、豪州ビクトリア州ラトロブバレーで水素を製造する実証設備が竣工し、褐炭ガス化による水素製造を開始した。今後、豪州ビクトリア州ヘイスティングス港で水素の液化と液化水素運
2021年02月24日19時30分 【特集】巨大市場創出へ、脱炭素で「アンモニア」関連に壮大なる株高ストーリー <株探トップ特集> 燃焼してもCO2を排出しないアンモニアへの関心が高まっている。政府は火力発電などの燃料として、30年に年300万トン、50年に年3000万トンとする導入目標を打ち出した。 ―CO2削減につながる燃料としての役割、年間需要は今後10年で3倍に― 脱炭素社会の実現に向けた次世代のエネルギーとして、燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しない「アンモニア」への関心が高まっている。経済産業省は今月8日にエネルギー関連企業などが参加する燃料アンモニア導入官民協議会を開き、2030年にアンモニアの国内消費量を年300万トン、50年には年3000万トンとする計画をまとめた。19年の国内消費量は約108万トンで主に肥料向けや工業用に使われているが、政府は石炭火力発電の燃料などに
NTTが来年度から6千億円程度を投じ、電力発電や送配電網網の整備に乗り出すことが11日、分かった。全国に約7300カ所ある電話局に設置した蓄電池やグループ会社のグリーン電力発電などのさまざまな電力の供給源を束ね、電力需給に応じてオフィスや工場、病院などに供給できるようにする。災害時のバックアップ電源として活用することなども見込む。 発電設備や電力網の構築などに向け、来年度から令和7(2025)年度にかけ毎年1千億円程度の設備投資を計画する。電力関連事業の売上高は現在3千億円程度だが、7年度には6千億円に倍増させる方針。 電話局では固定電話の利用減で生じたスペースに繰り返し充放電できるリチウムイオン電池を配備する。さらに、1万台程度の社用車を12年度にはすべて電気自動車(EV)に変えて蓄電池としても使えるようにするのに合わせ、EVの充電設備の設置も増やす。 電話局の周辺などにはグループ会社を
プロローグ 利益を生まない巨大プロジェクト 「利益を生まない巨大プロジェクトが進められている場合、理由が2つ考えられる。出資者が愚かであるか、あるいは狙いが他にあるかだ」 2019年2月20日付・日本経済新聞6面に、英週刊誌エコノミストの「新パイプラインはロシアのワナ」と題する長文翻訳記事が掲載されました。 上記はこの論考の冒頭の一節です。内容は事実に反する記述が多く、曲解と偏見に満ちた記事なので論評に価せずと考え、筆者は無視しておりました。 ところがその後、多くの知人・友人から「この記事内容は本当か?」との問い合わせを受けました。 内容は事実と異なっていても、著名な雑誌であり影響力も大きいようなので、今回はあえてこの記事を題材として取り上げることにしました。 この記事が批判している対象パイプライン(P/L)は「ノルト・ストリーム②」と命名された、ロシアからバルト海経由ドイツまでの天然ガス
日立製作所が風力発電機の生産から撤退することで、成長事業に位置付けていた再生可能エネルギー事業の戦略見直しは必至だ。 日立は昨年6月に発表した事業戦略で、再生可能エネルギー関連事業の売上高を2021年度に18年度見込みの5倍にあたる4000億円に引き上げる計画を掲げた。主力に据えたのが、風力事業だ。同事業だけで2500億円の売り上げ増を狙ったが、今回の戦略転換を受けてこれらの目標数値は引き下げる方向で見直している。 英国での原子力発電所計画を凍結したばかりの日立にとって、風力事業は今後もエネルギー事業の主軸に置かざるを得ない。国内原発の新設は困難な状況が続いているからだ。 国内の風力発電機市場は今後の成長が期待できる分野ではある。昨年11月には洋上風力発電の普及を後押しする新法が成立し、今年4月に施行される。海域の利用に明確なルールを定めることで、今後、導入機運が高まるとの期待がある。 日
二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーとして注目される「水素」。日本は、水素を燃料とする燃料電池車の普及や、水素発電の商用化などを通じて「水素社会」の実現を掲げていますが、水素を安定して確保できるかが課題です。 この課題の解決につなげようという技術開発が、オーストラリアで進んでいます。オーストラリアは、技術を実用化し、豊富な天然資源から水素を大量に生産して、日本やヨーロッパなどに輸出、世界最大級の水素供給国になることをめざしています。(シドニー支局記者 小宮理沙) 8月下旬、オーストラリアで、水素をめぐる新しい工程表が発表されました。CSIRO=オーストラリア連邦科学産業研究機構が作成したもので、オーストラリアで「水素産業」を育成し、世界をリードしていくことが掲げられています。 その基盤となるのが、豊富な天然資源です。オーストラリアは、石炭や天然ガスなどを、日本をはじめ各国に輸出してい
[ロンドン 6日 ロイター] - 数十億ドル規模の液化天然ガス(LNG)プラント建設に向けた新たな競争が勢いを増している。LNG投資は長い間停滞していたが、エネルギー大手は5年以内にLNGの供給が不足するとみている。 2014年にエネルギー価格が崩壊した後、ガスを輸送のために冷却して液体にする新たな複合施設への投資は枯渇した。 2000年代後半から大量に建てられたLNGプラントにより、2020年代初めまで供給過剰をもたらすのではないかとの懸念がさらに投資意欲を減退させた。 しかしこの1年で、センチメントはすっかり変わった。原油価格の上昇と、中国やインドといった急成長する経済国からの非常に強い需要に支えられ、エネルギー大手幹部は再び新たなプロジェクトに取り組む条件が整ったと自信を強めている。 世界最大のLNG生産国であるカタールは、2023─24年までに100─108mpta(100万トン/
日本の大手資源開発会社「国際石油開発帝石」などが4兆円を超える資金を投じて開発したオーストラリアのガス田で、LNG=液化天然ガスの生産が始まりました。日本の国内需要の10%を賄う規模の生産が行われる見通しです。 ガス田から出る天然ガスは、およそ890キロ離れた北部ダーウィンまでパイプで運ばれてから液化されることになっています。 年間の生産量は890万トンにのぼる見通しで、このうちのおよそ7割は、日本の東京電力や大阪ガスなどに供給されます。 会社によりますと、ことし9月末に日本向けに出荷を始め、国内需要のおよそ10%を賄うことになるということです。 総事業費が4兆4159億円に上る規模のこのプロジェクトでは今後、LNGの生産が40年にわたって続く見込みで、会社は日本のエネルギー確保に大きく貢献できると話しています。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と日立造船は8日、日立造船堺工場(堺市)で浮体式洋上風力発電装置の浮体構造部を公開した。9月から3年半の実証実験に入る。浮体式は、深い海でも設置できるメリットがあるが、まだ世界的にも事例が少なく国内の実験は今回を含め5例にとどまる。先行する欧州と実用化を競っており、設置ルールなどの整備が課題だ。直径100メートル、2枚羽根出力は3000キロワット
東京電力と中部電力は、すでに決めている火力発電事業の統合について来年4月に実施することで合意しました。また統合後の事業会社の出資比率を対等にするために、中部電力が3350億円を拠出することになりました。 その後の両社の調整の結果、統合の時期については来年4月にすることで合意しました。 また、事業会社のJERAには、東京電力の子会社が50%、中部電力が50%ずつ折半し、対等の出資比率とします。 ただ、事業会社に移される中部電力側の資産が少ないことから、中部電力が3350億円を拠出することになりました。 統合が完了すれば、火力発電の燃料の調達から販売までを一貫して手がける態勢が整うことになり、両社は規模のメリットを生かし競争力を高めたいとしています。
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