75年東大卒。法政大助教授、教授を経て2000年10月から慶大教授。専門は制度経済学、財政学。近著に『日本病 長期衰退のダイナミクス』(共著、岩波新書)、『負けない人たち』(単著、自由国民社)、『ポスト「アベノミクス」の経済学』(共著、かもがわ出版)などがある。 DOL特別レポート 内外の政治や経済、産業、社会問題に及ぶ幅広いテーマを斬新な視点で分析する、取材レポートおよび識者・専門家による特別寄稿。 バックナンバー一覧 いま景気はどうにかもっている。だが、それをアベノミクスのおかげとするのは早計だろう。「デフレ脱却」を掲げたアベノミクスが想定するプロセスは効いていないからだ。 2018年6月の消費者物価上昇率は、生鮮食品を除くコア指数で0.8%だが、さらにエネルギーを除くコアコア指数は0.2%にすぎない。「2%物価目標」にはほ ど遠いうえ、消費者物価上昇率を押し上げているのは、トランプ大