<中国共産党が初めて、「データ」を労働や資本と並ぶ「生産要素」として挙げた。これは、AIの「エサ」となりその利便性を最大限に引き出すデータのことだ。14億人のデータと起業家精神で、5年後にはアメリカに追いつくとも言われる。そこで日本は?> 今年10月末に開催された中国共産党の四中全会の決議のなかに面白い一節があった。 「労働に応じた分配を主体とし、さまざまな分配の方法も併用する。労働者、特に第1線の労働者の報酬を増やす。労働、資本、土地、知識、技術、管理、データなどの生産要素の貢献を市場で評価し、その貢献に応じて報酬を決めるメカニズムを健全なものにする。」 この一節がなぜ面白いのかを説明するためには、経済学史のおさらいに少々お付き合いいただかなくてはならない。 マルクスは労働が商品の価値の唯一の源泉だと考えた。資本家は資本を出す見返りに利益を得るし、金融業者は金を貸す見返りに利子を得るし、