中央線西荻窪駅付近を源流とする善福寺川の支流「松庵川」。現在暗渠となっているこの川は、50年間ほどの間しか存在しなかった人工的な川であること、中流部までは直線的なジグザグの流路となっていること、そして松庵川という名称は暗渠化の後につけられた通称であることという3つの大きな特徴をもつ。 これまで、ブログ記事(2009年)や、ムック「東京ぶらり!暗渠探検」(2010年)、単行本「地形を楽しむ「東京「暗渠」散歩」(2012年)と何回かにわたって「松庵川」の暗渠を取り上げてきたが、それらの記事をまとめた後でわかったことを含め、この3つの特徴について改めて考察を記してみた。(今年初めに実施したNHK文化センター暗渠さんぽ講座で作成した資料をベースとした)。ポイントは以下の3点だ。 ・川を開削した理由は本当に中央線建設による湧水なのか? ・ジグザグ流路の成因はなにか? ・松庵川という呼び名は妥当なのか