CERN(欧州合同素粒子原子核研究機構)はスイスで現地時間2008年10月3日,大型ハドロン衝突型加速器(LHC)のデータ処理/分析用グリッド・コンピューティング・システム「Worldwide LHC Computing Grid」の運用を開始した。世界33カ国にある140カ所以上のコンピュータ・センターを結び,実験で生成される膨大なデータを処理する。 Worldwide LHC Computing Gridは,実験データを専用光ファイバ・ネットワーク経由で欧州/北米/アジアの拠点コンピュータ・センター11カ所へ転送し,そこから世界各地に振り分ける。LHCを使った実験が始まると,陽子の衝突が1秒間に数億回起こり,1年間で1500万Gバイト(15Pバイト)以上生成されるデータを処理することになる。同グリッド/システムは,高性能なプロセサだと処理に1件当たり数時間~数日間かかるジョブを,連続し