樋口 メンさんにはすごくお世話になってきたんですが、僕らは社内で「あいつら体丈夫だから、ヤバいところに突っ込んでおけ」みたいな存在で、メン獄さんといえば“帰ってくる鉄砲玉”とかいう異名の存在だった(笑)。メンさんはあらゆる地雷を踏み抜いていくので、僕はずっと後ろを付いていって、「これやると地雷なんだ」というのをずいぶん学ばせてもらいましたね。 そんなメンさんが2年前コロナ禍のさなか「こんなに社会がヤバくなっている中で、俺が医療現場にコミットしてないのとかありえねえだろ!?」と半ば発狂気味に医療業界に転職された後、ある日突然2万字くらいの“怪文書”が僕のところに送られてきたんですね。それがこの本の原型となる原稿だった。 撮影 細田忠/文藝春秋 ドラフト段階では議事録の書き方や論理的な思考法など、コンサルのハウトゥ的なことが多く書いてあったのですが、まあ、ビジネス読み物的にはあまりにも普通な内