日本やアジアでは不動の人気を誇る経営思想家、ピーター・ドラッカー。もともとは米国の経営学界でも重鎮だったドラッカーが、欧米の経営学界では全く顧みられなくなって久しい。 米国人はなぜ、ドラッカーを「忘れた」のか――。 この問いを今回、早稲田大学商学部の三橋平教授にぶつけた。米国経営学界でそうそうたる受賞歴を持ち、日本人にはまれな「世界標準の経営学者」の一人である三橋教授は「1998年ごろが、米国経営学界における『脱・ドラッカーの転換点』ではないか」とみる。 三橋教授には、近日発売される『世界最高峰の経営教室』にも、ドラッカーに関するコメントを寄せていただいたが、紙幅の関係で、興味深い分析のほんの一端しか紹介できなかった。米国経営学界のリアルや、ドラッカーに興味のある読者には、本稿でぜひ堪能していただきたい。 「世界標準の経営学とは一体何か」。先日取材させていただいた日本経営学会では、この問題