人間とは「物語を紡ぐ存在」であり、同時に「物語に囚われる存在」でもある!? : 国重浩一著「ナラティヴ・セラピーの会話術」書評 ナラティブセラピーとは「希望を掘り当てる考古学」である ・ ・ ・ 国重浩一著「ナラティヴ・セラピーの会話術」(金子書房)を遅まきながら読みました。 本書は、ここ20年ほど注目が集まっている心理療法のひとつであるナラティブセラピーを、平易な言葉で解説し、著者自身の事例(ケース)を収録した入門書です。 ナラティブセラピーとは、ここでは、 1.人間が自ら自分の人生を生き抜き、それらを「意味づける動物=物語る動物」であることを前提にした心理療法で、 2.「物語に囚われてしまったひと」に対して働きかけるカウンセリングである 3.ナラティブセラピーでは、カウンセラーとの会話によって、「自分」と「自分の抱える問題」を切り分けて(外在化・影響相対化質問法)、 4.いかに自分が「