ブロックチェーンと聞くと、仮想通貨を思い浮かべる人は多いだろう。ブロックチェーンは仮想通貨の基幹技術ではあるが、活用範囲は広い。ただ、いろいろな用途に使えそうな半面、一体どのようなことにブロックチェーンを使えば効果が大きいかが分かりにくい。金融契約の専門家であり、ブロックチェーンによる産業や社会の変化に詳しい東京大学大学院教授の柳川範之氏に、ブロックチェーンの活用を発想する上での要点などを聞いた。 柳川 範之(やながわ・のりゆき)氏 東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授。東京大学博士(経済学)。専門は契約理論、金融契約。慶應義塾大学経済学部専任講師などを経て、2011年より現職。金融審議会委員などの政府委員を多数歴任。共著書に『ブロックチェーンの未来 金融・産業・社会はどう変わるのか』(日本経済新聞出版社)など多数。 柳川:関心を持っている企業は増えており、霞が関の官庁の方々での関心