元日銀審議委員 白井さゆり慶應義塾大学教授が昨年2017年9月に上梓した本。 金融政策から資産市場の見通しまで幅広いトピックについて踏み込んだ解釈・予想が示されている。(浜町SCI) 世界の歴史上、類をみない状況になるため、その後、何が起こるかわからないという恐ろしさが、ここにもあるわけです。 「類をみない」とは、世界の主要中央銀行がこぞって量的緩和やマイナス金利のような非伝統的金融政策を実施し、正常化の際に中央銀行の財務が傷むことを指している。 非伝統的金融政策には(期待通りかどうかは別として)プラスの効果があったのだから、その巻き戻しにはマイナスの効果があるのは間違いない。 問題はそれが危機的なものか、それともソフトランディング可能なものかであろう。 白井教授は何が起こるか断言することはせず、率直に予想がつかないと述べている。 そして、こうした不透明性自体が市場・経済にマイナスに働きう