国と電気事業連合会が目指す原子力発電所の使用済みプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の再処理に向けた実証実験で、関西電力が福井県内の原発の使用済み核燃料を2020年代後半にフランスへ搬出することになった。関電は、使用済み核燃料の中間貯蔵施設を今年末までに県外選定する約束を守れなかった場合の原発停止を免れるとの認識だ。ただ、核燃料を継続的に搬出できるかは不透明で、「ウルトラC」ともいえる解決策に地元の理解が得られるか疑問はぬぐえない。 使用済み燃料を処理して再利用する「核燃料サイクル」は国の原子力政策の柱。21年10月に閣議決定した第6次エネルギー基本計画は、使用済みMOX燃料の処理・処分について「30年代後半の技術確立をめどに研究開発に取り組む」とした。 一方で、中間貯蔵施設の選定問題は関電に黒雲のようにのしかかってきた。これまでも、青森県むつ市の他社施設を共同利用する案が浮上した