シロアリが持つ強力なセルロース分解能力の仕組みを解く研究を続けている理化学研究所の研究チームが、決定的な役割を果たしているとみられる腸内微生物を突き止める新たな成果を12日、発表した。 地球温暖化対策としてバイオマス利用に対する関心が高い。しかし、食料にならないバイオマスの利用はあまり進んでいない。植物細胞壁の主成分であるセルロースを分解する有効な技術の開発が難航しているのが一因だ。理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室の大熊盛也(おおくま もりや)室長らは、これまでシロアリの強力な生命力が、シロアリとその腸内の原生生物(動植物、菌類に属さない真核生物)と原生生物の細胞内に共生する細菌との3者間に存在する持ちつ持たれつの関係に起因することを明らかにしてきた。 今回の研究成果は、こうした3者の関係をさらに詳細に解明している。研究チームはオオシロアリの腸内でセルロースの分解に最も重