最近、オランダのエリック・フェアリンデさんが提案したエントロピック重力理論が世間で注目を集めている。これはオランダの観測グループが銀河による弱い重力レンズの効果を使って彼の理論の検証を行い、データと整合したという論文を出したからだ。 フェアリンデさんは、長距離では重力の強さが変化して、みかけ上暗黒物質(ダークマター)があるように振る舞うという主張をしていたため、観測と矛盾しないという観測結果からダークマターは実は不要だったとか、エントロピック重力理論は正しかったとかと、断定的に受け止めた方も多いようだ。 しかしこの彼の"理論"は、完成した理論ではない。根拠の確立していない多数の仮説を沢山組み合わせて、観測と比べられる量を同定しているだけで、精密な定式化がなされているわけではないのだ。論理的にダークマターが存在しないことを示したものでもない。 論文では、量子もつれやエンタングルメントエントロ
The theory of entropic gravity abides by Newton's law of universal gravitation on Earth and at interplanetary distances but diverges from this classic nature at interstellar distances. Entropic gravity, also known as emergent gravity, is a theory in modern physics that describes gravity as an entropic force—a force with macro-scale homogeneity but which is subject to quantum-level disorder—and not
The gravity of galaxies bends space, such that the light traveling through this space is bent. This bending of light allows astronomers to measure the distribution of gravity around galaxies, even up to distances a hundred times larger than the galaxy itself. Credit: APS/Alan Stonebraker; galaxy images from STScI/AURA, NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team A team led by astronomer Margot Brouwer
アインシュタインによる相対性理論をフルに利用して宇宙のモデル化が行われた。ヨーロッパとアメリカの研究所で結成された研究チームが作成した2つのコンピューターコードは、「可能な限りの宇宙の最も正確なモデルにつながる」ものだ。重力とその作用について数多くの新しい知見が得られることだろう。
大栗 博司 Kavli IPMU 主任研究員 1.発表者 大栗 博司(おおぐり ひろし) 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 主任研究員 2.発表のポイント 重力の基礎となる時空が、さらに根本的な理論の「量子もつれ」から生まれる仕組みを具体的な計算を用いて解明した。 物理学者と数学者の連携により得られた成果であり、一般相対性理論と量子力学の理論を統一する究極の統一理論の構築に大きく貢献することが期待される。 成果の重要性等が評価され、アメリカ物理学会の発行するフィジカル・レビュー・レター誌(Physical Review Letters)の注目論文(Editors’ Suggestion)に選ばれた。 3.発表概要 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の大栗博司主任研究員とカリフォルニア工科大学数学者のマチルダ・マルコリ教授と大学院生らの物
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