寄生バチの幼虫に操られたシロガネグモの一種(Leucauge argyra)は、寄生虫の幼虫の成長に必要な繭を作るための特殊な糸を吐出させられる。(PHOTOGRAPH BY ANAND VARMA, NATIONAL GEOGRAPHIC) 映画やテレビで人気のゾンビは架空の存在だ。だが、現実世界には、宿主を「動く死体」のように操る寄生虫がいる。 寄生虫は、言ってみればマインドコントロールの達人だ。自らを利するように宿主の中から宿主を操り、ときに自滅的な行動をとらせる。 (参考記事:「ナショナル ジオグラフィック2014年11月号 世にも恐ろしい 心を操る寄生体」) 「寄生虫の中には、自分たちが快適に暮らしたり、栄養をたくさん摂れたりできるように宿主の行動を変えたり、宿主を別の環境に移動させたりするものがいます」。こう語るのは、米コロラド州フォートコリンズにあるコロラド州立大学の生物学者