1000年以上も長きにわたり、古代マヤ文明の都市ティカルは、最大かつ重要な中心都市として君臨していた。 しかし、9世紀後半ごろに、ティカルと周辺の多くの町から忽然と人がいなくなってしまった。新たな分析の結果、ティカルにあった貯水池が、この集団移住の謎を解く重要なカギであることがわかった。 米オハイオ州、シンシナティ大学の研究チームが、現在のグアテマラにあったティカルの貯水池の堆積物を分析した結果、ティカルの住民が飲み水として利用していた水が、毒物に汚染されていた証拠が見つかったのだ。
1000年以上も長きにわたり、古代マヤ文明の都市ティカルは、最大かつ重要な中心都市として君臨していた。 しかし、9世紀後半ごろに、ティカルと周辺の多くの町から忽然と人がいなくなってしまった。新たな分析の結果、ティカルにあった貯水池が、この集団移住の謎を解く重要なカギであることがわかった。 米オハイオ州、シンシナティ大学の研究チームが、現在のグアテマラにあったティカルの貯水池の堆積物を分析した結果、ティカルの住民が飲み水として利用していた水が、毒物に汚染されていた証拠が見つかったのだ。
ジャイアント・ホグウィード(学名 ヘラクレウム・マンテガジアヌム/和名 バイカルハナウド)は猛毒植物である。セリ科の多年生植物で、2メートル以上の高さに成長する。 コーカサスや中央アジア原産の植物なのだが、19世紀になって鑑賞植物として数種がイギリスやヨーロッパに持ち込まれた。当時、その危険性はまるで知られていなかったのだ。 外見的な特徴 ジャイアント・ホグウィードの見た目はまったく危険なようには見えない。非常に大きく、複葉を1〜1.7メートルに広げる。葉の先端で、白い花が傘状にクラスターを形成する。 シャク(ヤマニンジン)と似ているため、注意が必要だ。両者の主な違いは幹にあり、ジャイアント・ホグウィードの場合、赤黒い斑点があり、白い毛が生えている。 危険性 ジャイアント・ホグウィードの樹液には、光線過敏を引き起こすフラノクマリン類の化合物が含まれている。これが人間の皮膚に接触すると、皮膚
エメラルドゴキブリバチ(Ampulex compressa)は、ゴキブリの脳に針を刺し、その意思決定過程をのっとる特殊な毒を注入する。(PHOTOGRAPH BY ANAND VARMA, NATIONAL GEOGRAPIC CREATIVE) 研究者たちは長年にわたり、自然界の毒を有効利用しようと努力してきた。米カリフォルニア大学リバーサイド校の昆虫学と神経科学の教授であるマイケル・アダムス氏もその1人だ。このたび、ゴキブリをゾンビ化させる寄生バチの毒を新たに特定した氏の論文が、1月19日付けの科学誌「Biochemistry」誌オンライン版に発表された。(参考記事:「生物の毒が人間を救う」) エメラルドゴキブリバチ(Ampulex compressa)は、ゴキブリに毒液を注入して、意のままに操ることができる寄生バチだ。 このハチが宿主を確保するときには、まずはゴキブリの胸部を刺し、毒
ビワなどの種子たねや未熟な果実には、天然の有害物質が含まれています。 平成29年、ビワの種子を粉末にした食品から、天然の有害物質(シアン化合物)が高い濃度で検出され、製品が回収される事案が複数ありました。 ビワの種子が健康に良いという噂うわさを信用して、シアン化合物を高濃度に含む食品を多量に摂取すると、健康を害する場合があります。 個別の食品のシアン化合物濃度については、製造元にお問い合わせください。 熟した果肉は、安全に食べることができます。 ビワ、アンズ、ウメ、モモ、スモモ、オウトウ(サクランボ)などのバラ科植物の種子や未熟な果実の部分には、アミグダリンやプルナシンという青酸を含む天然の有害物質(総称して、「シアン化合物」と言います。)が多く含まれています。 一方で、熟した果肉に含まれるシアン化合物はごくわずかです。 果実を未熟な状態で食べてしまったり、果実を種子ごと食べてしまったりす
たった0.01gで人間を殺せる猛毒を持つカエル。 この写真のカエル、名前は「モウドクフキヤガエル」と言います。カタカナなので一瞬では気づきませんが「猛毒吹矢蛙」です。こんな綺麗な金色で可愛く見えるのに猛毒の吹き矢のカエルです。その皮膚には2万匹のネズミを一気に殺せるほどの猛毒、神経毒性バトラコトキシンがたっぷり含まれています。そんな猛毒を常に身にまとっているカエル自身は、自分の猛毒で死なないのはなぜでしょう? 研究者チームがその謎を解き明かしました。その鍵は「遺伝子突然変異」だったのです。 ではまず、そんな猛毒がどのように作られるのでしょうか。毒は自分の体で作っているわけではなく、カブトムシや昆虫を食べて、強力な毒素を作り出し、それが皮膚に集結して来ます。こうして外敵から身を守るのです。青酸カリの850〜1000倍の強さと言われる猛毒界の王者バトラコトキシンは、このフキヤカエルからしか見つ
くらえ、ちっちゃい毒針!ウニの秘密兵器は放ってからがスゴかった2017.05.02 12:30 Rina Fukazu まるでアニメのキャラクターの必殺技です。 捕食者から身を守るために、生き物たちはさまざまな特徴を持っています。威圧的な針山を持ったウニも、その例外ではありません。今回、インド太平洋、ハワイ、紅海の海底で、海藻を食べてのどかに過ごす様子が観察されているシラヒゲウニという種が、実は見た目以上の自己防御能力を備えていることが示唆されました。 The American Naturalist で公開された新たな研究によると、このウニの針の周りには極小の叉棘(サキョク)とよばれるハサミトゲが数百あり、これが自分の身体から離れても、噛み付いたり毒を放ったりすることが可能であることがわかりました。 新たなウニの自己防衛システムを発見したのは、海洋生物学者のHannah Sheppard-
カラパイアをちぇっくりんこしているお友達ならもう知っていることだろう。植物の恐ろしさってやつを。 動物のように移動できるわけではないので、逃げることができない。そこで”猛毒”というスキルを使ってばっさばっさと敵を倒していく。 種を存続させるためなら、触るものみな傷つけるのもいとわない。美しい花を咲かせ、人間を癒してくれるとともに、一瞬にして人間を滅する力も秘めている、それが植物パワーなのだ。
先月、静岡県藤枝市でじゃがいもの食中毒事故が発生しました。藤枝市内の小学校で栽培していたじゃがいもを7月12日に収穫し、15日に皮ごとゆでて食べたところ、食中毒になったようです。じゃがいもに含まれていた「ソラニン」という毒物にあたったとみられています。7月22日の静岡新聞、朝日新聞ほか、数社で報じられました。 じゃがいもにソラニンという毒物質が含まれていることは、一般的に知られています。ソラニンという名は知らなくても、ジャガイモの芽は取らないと危険だということを知らない主婦は、きっと馬鹿にされてしまうでしょう。 ソラニンは、じゃがいもの茎の根元や、じゃがいもから発芽した芽、そして太陽光などに当たって緑に変色した表面にも多く含まれています。 生えてもいない「芽を取った」という言い訳か 今回の藤枝市の食中毒、報じた記事を読むと3つほど気になることがあります。 • 収穫して3日程度の芋に芽が生え
非常に珍しいことではあるが魚を食べて幻覚症状を引き起こす場合があるそうだ。サレマ・ポーギーを食べたときの話だ。 側面に伸びる金色の筋を特徴とするこの魚は、アフリカ大西洋沿岸から地中海へ至る温暖な熱帯の海に生息している。一見人畜無害な姿をしているが、サレマ・ポーギーは幻覚を引き起こすことで知られており、しかもそれは悪夢の類のものである。 そうした性質から、アラビア語で「夢を見せる魚」と呼ばれている。どうやらローマ帝国ではレクリエーションドラッグとして消費されていたらしく、またポリネシア人も儀式の最中に使用していたという。 今日では、この魚を食べてトリップしたという報告は滅多にないが、2006年の『クリニカル・トキシコロジー』誌に掲載さた記事で2つのケーススタディが紹介されている。
イモガイ科の一種、アンボイナガイはその毒性の高さで「海の殺し屋」との異名を持つ。コノトキシンという神経毒性の強さはインドコブラの37倍、世界最強の毒蛇といわれているインランドタイパンの約2倍の毒性を持ち、刺されたら人間ですらイチコロなのだ。 陸海空のあらゆる生物の中で最強の毒を持つとされるアンボイナガイが魚を捕食する映像が公開されていた。
飼い主の方、ご注意を! キシリトールといえば、歯磨き粉やシュガーフリーガムからピーナッツバターまで、身の回りのありとあらゆる食べ物に含まれるとても身近な人工甘味料です。そのキシリトールに関して最近明らかになったことが。それは、犬にとって毒だということです。 アメリカ食品医薬品局(FDA)がこのことについて新たな警告を出しました。キシリトールは人間にとっては問題ないが、この甘味料は犬にとっては致命的な毒になるということが証明されたというのです。当然、シュガーフリーガムを自分の家の犬に食べさせるってことは直感的にいけないとわかりそうなものです。ですが、キシリトールは最近本当に色々な食べ物で使われるようになったので、犬用ではないキシリトールを含んだ食べ物がなんらかのかたちで犬の口に入ってしまう可能性もあります。キシリトールを含んでいるのは、歯磨き粉(犬用の歯磨き粉ではなく)、加熱調理された食品や
コウカンチョウ。シンガポールのジュロン・バードパークで(2011年9月20日撮影、資料写真)。(c)AFP/ROSLAN RAHMAN 【5月20日 AFP】一部の鳥のくちばしや羽を「赤色」にしている要素はこれまで謎とされてきたが、19日に発表の研究論文によると、体の着色に影響する遺伝子は、解毒作用にも関与する、より広範囲の遺伝子群に属しているという。論文は、米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に掲載された。 この結果は、鳥の体の赤色について、有害物質を体から容易に排出できる強健な個体、すなわち上質な繁殖相手を指し示す「印」である可能性があることを示唆するものだ。 論文の共同執筆者である米ワシントン大学(Washington University)のジョセフ・コーボ(Joseph Corbo)准教授(病理学・免疫学)は「多くの鳥類種では、雄は赤みが強いほど、繁殖
アジア原産のタイコブラ。新しい抗ヘビ毒血清は、このヘビの毒にも有効だ。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK) 毎年、全世界で9万4000人もの人々が毒ヘビに咬まれて命を落としている。死者数が特に多い地域は、南アジアとサハラ以南のアフリカだ。 彼らの命を救えないのは、抗ヘビ毒の血清が手に入りにくいからだ。ヘビ毒は複数の種類のタンパク質からなり、ヘビの種類によって成分や構成が異なる。そのためかなり最近まで、毒ヘビに咬まれたら、その種類のヘビの毒にだけ効く専用の抗毒血清で治療するのが最善とされてきた。(参考記事:「ヘビ毒の万能解毒剤を発見か、血清とは別」) だが、それには約600種の毒ヘビのうち、どれに咬まれたのか正確に分かる必要があるうえ、各種のヘビ毒に効く血清を備蓄しておくコストもかかる。 また、アフリカには複数
「部屋とワイシャツと私」の2番について、妻と語り合ったことがある。 期待と不安が混じりあった新婚ほやほや感が、甘い思い出とシンクロしてええなぁ……と思っていたら、2番だった。オンナの勘は鋭いのよと前置きしてから、「あなた浮気したら、うちでの食事に気をつけて」と警告する。なぜなら、「私は知恵を絞って、毒入りスープで、いっしょに逝こう」だから。 ほとんどの毒は臭いや味で気付くだろうし、微量で死に至らしめるようなものは、そもそも手に入らないだろう……と言ったら、「だから知恵を絞るんよ」と返された。妻曰く、ホームセンターで手に入るような化合物は、死ぬにはいいけどスープには適していないという。経口摂取ならキノコや魚類がいいそうな。く詳しいねと言ったらニッコリされた。 半信半疑で『毒の科学』を読んだら本当だった。もう一度言う、妻の毒の知識は本物だった。 『毒の科学』は、人にとって「毒」とは何かという定
物事を多面的にとらえることが知性を育む上で大切なのは、誰一人否定されないと思います。農薬についても同様で、生物の進化の歴史を知ることが農薬についての理解を深めることもあります。 これまで「農薬と無農薬」という視点から、盲目的に無農薬を信じることの危険性や、毒性評価の視点から人に対する安全性について考えてきました。 そして、今回は「なぜ農薬が必要になったのか」、植物と人間の歴史からひも解いてみたいと思います。 【参考】これまでの記事 ・安全のための無農薬なんて「馬鹿のすること」? http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45802 ・「農薬じゃない」毒物を平気でまき散らす無農薬信者 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46089 「森の香り」は化学兵器だった 心身をリラックスさせる森林浴。森に入って、杉や檜(ヒノキ)など
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く