南米コロンビアで、ある女性が木の柵の杭の上に何者かがいることに気が付いた。近づいてみるとそれは木の杭に擬態しているようだ。 目がを動かし始めたので撮影をはじめたところ、突如大きな口をぱっくり開けて「クパァ〜!」を発射。女性は大びっくり。 この鳥は擬態上手で知られているオオタチヨタカである。
カラパイアでは常連の大きな口がチャーミーなガマグチヨタカさんよりも、更にインパクトのある鳥が存在していたようだ。同じ鳥類ヨタカ目に属する「タチヨタカ」は、どんなキャラクターよりもキャラクターらしい。日本のゆるキャラとかがかすんでしまうレベルの、デフォルメされた特徴のある風貌をしている。
コールドウェル夫妻の自宅の裏庭に餌を食べにくる、オスメス両方の特徴をあわせもつショウジョウコウカンチョウ。この鳥が庭のはずれの木の枝にとまったところを、シャーリーさんが台所の窓から撮影した。(Footage provided by Shirley Caldwell) 米国ペンシルベニア州エリー在住のコールドウェル夫妻は、25年前から裏庭に鳥の餌台を置いている。しかし、数週間前の夜明けにアメリカスギの木に止まっていたようなショウジョウコウカンチョウ(猩々紅冠鳥)は、これまで一度も見たことがなかった。その鳥は体の右半分が真紅で、左半分が灰褐色だった。(参考記事:「動物大図鑑:ショウジョウコウカンチョウ」) とはいえ、家から木までは10メートルほど離れていたため、鳥が近くにくるまで自分が見たものに確信がもてなかった。妻のシャーリーさんは、「長年、鳥に餌をやってきましたが、こんな鳥を見たことはなか
たぶん世界で一番有名な化石は始祖鳥のそれではないだろうか。美しく保存された羽をもつ記録上一番最初の鳥は、進化の象徴とみなされることもある。 しかし、始祖鳥は本当に一番最初の鳥なのだろうか? 現代の鳥のように飛ぶことができたのだろうか? これまでの研究によって、始祖鳥は恐竜の子孫であることが分かっている。ならば始祖鳥はただ羽におおわれただけの小型の恐竜ではないのだろうか? 英マンチェスター大学のジョン・ナッズ氏らは、世界有数のシンクロトロンで始祖鳥の骸骨を検査するという、滅多にないチャンスに恵まれた。 つまりは病院のレントゲンよりも10兆倍も強力な粒子加速器である。そして岩の内部にある骨を透かして確かめてみた結果、始祖鳥が完全に新しい種であるという驚きの事実が明らかになった。
まったく予期していなかったタイミングで、もし傷ついた動物を目にしたら、あなたならどうするだろうか? イギリスのテレビ局・BBC Southのレポーターであるマット・グレイブリングさんの場合、その命を救おうと手を差し伸べた。 なんと助けたその鳥は、一度は絶滅危惧種に瀕したことのある、希少な鳥だったのだ。
トサカからつま先まで全部真っ黒。インドネシア原産の「アヤム・セマニ」は、血液以外、骨や内臓までも真っ黒な漆黒のニワトリだ。メラニン色素が極端に多いのである。 インドネシアでは1930年代初頭より、その卵と食肉の生産のために養殖されてきた。というわけで、インドネシアのジャワ島西部にある、セマニ・ファームでアヤム・セマニを育てている男性の紹介動画を見てみよう。
モアのゲノムを再構築 モアの軟組織がそっくりそのままついた体の一部がたくさん発見されている。 20〜30年前、ニュージーランドのオーウェン山の発掘作業が行われていた洞窟で、考古学者たちが羽毛や鱗、筋肉がついたほとんど完璧なモアの足ツメを発見した。 研究者たちは、モアのゲノム配列を解き明かそうと十数年かけて分析を続けた。そしてついに、遺伝学者の国際チームによって、ブッシュモアのゲノム再構築がなされたと、PNAS(米国科学アカデミー紀要)に発表された。 絶滅した残り8種のモアも同様の構造を持っている為、徐々にゲノム構築がなされていくこととなるだろう。 1949年に発見された保存状態の良いモアの頭部(下のクチバシは失われている) もし可能ならばモアを蘇らせるべきなのか? もしかしたらモアを復活させることができるかもしれない。研究者たちはジャイアントモアの再生の可能性について長いことあれこれ憶測し
ボツワナにあるオカバンゴ・デルタで、キリンの頭にとまるキバシウシツツキ。(PHOTOGRAPH BY ROY TOFT, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) アフリカにすむ小さな鳥キバシウシツツキが、キリンなど大型動物をねぐらにしていることが明らかになった。2018年2月に学術誌「African Journal of Ecology」誌に発表された。 ウシツツキが、キリンやアフリカスイギュウ、エランドといった大型哺乳動物の皮膚を掃除していることは以前から知られていた。この鳥が動物たちにとまったり、ぶら下がったりして、ダニなどの寄生虫をつついているのはよく見られる光景だ。(参考記事:「ウィンウィンの関係」) だが、ライオンの専門家クレイグ・パッカー氏らがタンザニアのセレンゲティ国立公園で、カメラトラップ(自動撮影装置)を使った調査を数年かけて行ったところ、この鳥は夜中
シロカツオドリ(英国スコットランド バスロック) スコットランド東岸のフォース湾にあるこの島には、15万羽ものカツオドリが繁殖のために集まる。PHOTOGRAPHED WITH PERMISSION OF THE DALRYMPLE FAMILY AND THE SCOTTISH SEABIRD CENTRE 1年のある時期に鳥たちが姿を消す理由について、古くからさまざまな珍説が唱えられてきた。鳥は種類によって冬ごもりをしたり、別の種に変身したりすると考えたのは古代ギリシャのアリストテレスだ。中世のヨーロッパでは、カオジロガンが冬に現れるのは、果実のように木で育つからだといわれていた。 鳥が「渡り」と呼ばれるはるかな旅をしていたという驚くべき証拠が見つかったのは1822年。ドイツの狩猟家がコウノトリの仲間シュバシコウを撃ち落としたところ、首に刺さっていた矢がアフリカ中部で使われているものだ
ワタリガラスの飛行能力は高く、アクロバティックな飛び方ではハヤブサやタカにも引けを取らない。(PHOTOGRAPH BY JOHN MARZLUFF) ワタリガラス (Corvus corax) は、特に珍しい鳥ではない。だが進化の道筋はかなり珍しいことが、最新の研究で明らかになった。 科学者たちが研究に使ったのは、過去20年近くかけてワタリガラスから採取したDNAサンプルだ。それは、北米西海岸のワタリガラスの祖先が、遺伝的に異なる3つの集団に分化していたことを示していた。さらに、そのうちの2つの系統が1つに合わさり、分化を逆戻りする過程の最中とみられるという。研究結果は3月2日付けの学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。 「長い間、私たちは種の進化を木の枝分かれのように考えがちでした。1つの枝から、新しい種が2つに分かれるというふうに」と、研究を主導した米スミソニアン保
アデリーペンギンは南極で繁殖する2種のペンギンのひとつ。彼らは気候変動に脅かされている。(PHOTOGRAPH BY CRISTINA MITTERMEIER, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 150万羽を超すアデリーペンギンが、南極半島の先にあるデンジャー群島で新たに発見されたという論文が3月2日付けのオンライン科学誌「Scientific Reports」に掲載された。 デンジャー群島にペンギンが生息していることは以前から知られていた。しかし、ほとんど調査は行われず、生息数は謎に包まれていた。 そこで、研究者らが衛星写真を解析した後に野外調査を続けて行ったところ、巨大なコロニーの存在が判明した。そのなかには世界第3位と第4位の大きさのアデリーペンギンのコロニーも含まれている。今回の発見により、南極半島の先端から西部に広がる海域で確認されているペンギンの数はお
タチヨタカは月夜に悲しげに鳴く。このために彼らにまつわる物悲しい伝承がいくつか伝えられている。 例えば、エクアドルのシュアール族の言い伝えにはこうある。ある神の男が妻に激怒し、空へ帰ろうとした。妻は夫を追おうとしたが地上に落ちてしまい、鳥に姿を変える。夫は月に姿を変え、二度と彼に会えなくなった妻は悲しみで泣き続ける。 タチヨタカの鳴き声が悲哀の色を帯びているのはそのためだそうだ。 2. 目をつぶっている時でも動くものが見える URUTAU タチヨタカのまぶたの下はかすかに開いており、動くものを感じることができる。そのため目を瞑りながらでも、獲物を追うことができる。 それどころか眠っている時でも、危険が迫ればそれを察知できる。 3. 悲哀を帯びた鳴き声 Great Potoo (Nyctibius grandis) Call 彼らは騒がしい鳥だ。世界が寝静まろうとしている夜更けに大騒ぎする。
1億6000万年前の獣脚類の恐竜Caihong jujiの想像図。現在の中国北東部で見つかった。(ILLUSTRATION BY VELIZAR SIMEONOVSKI, THE FIELD MUSEUM) 中国で、虹色に輝いたであろう恐竜の新種が発見された。化石の保存状態は非常によく、頭と胸は現在のハチドリに似たきれいな羽毛に覆われていたと考えられている。 このような鮮やかな姿には、現在のクジャクの尾のように求愛やコミュニケーションの役割があるのかもしれない。この恐竜は鳥に似た体形で、飛行に使えそうな羽のほか、頭にとさかもついていた。(参考記事:「羽毛恐竜に鳥のような翼を発見、とさかも、始祖鳥以前」) 1月15日付けで学術誌「Nature Communications」に掲載された論文で、この羽毛恐竜はCaihong jujiと命名された。中国語で「大きなとさかのある虹」という意味だ。
鶏のアローカナも青い卵を産みますよね。 最近の研究では、恐竜の肌や羽の色もかつて考えられていたものと違うなんて話も聞きますが……実は卵の色も、意外にキレイな色だったりすることがわかってきたそうです。それは鳥の中にある、有機化合物プロトポルフィリンやビリベルジンといった色素が原因とのこと。 このたびアメリカとドイツの古生物学者チームが、Heyuannia huangiという中国で見つかった白亜紀の恐竜の化石を調べたところ、ハイテク機器を駆使してその色素が確認されました。 この発見はこれから恐竜の卵だけでなく、彼らの活動などについても何か手掛かりになるかもしれない、大事な一歩となるのです。 Image: Wiemann et al (Peerj 2017)チームは中国に保管されていた卵の化石を集め、キレイに掃除していくつもの分光器で調べたのだそうです。それにより化学物質を検知し、同じく青緑の卵
地震などの天変地異が起こったとき、野生動物たちはいったいどんな反応を見せるんだろうか。2011年3月11日、東日本大震災がおこったあの瞬間に、上野動物園にいるハシビロコウを撮影していた貴重な映像をご紹介しよう。
8月25日にアメリカテキサス州に上陸したハリケーン「ハービー」による影響による被害のニュースがあとをたたない。 災害にあって困っているのは人間だけではない。野生動物たちだって大変なのだ。テキサス州ヒューストンで、暴風が吹き荒れ困り果てたタカは、1台のタクシーに目をつけた。「ちょっと避難させてください」とは言わなかったろうが、タクシーに乗り込みここで嵐が過ぎ去るのを待つことにしたようだ。 びっくりしたのはタクシーの運転手さんだ。どうしたものかと戸惑っていたが、この場にとどまっていたらハリケーンの被害に巻き込まれてしまう。 ともかく運転手さんは無賃乗車のタカを乗せたまま走り出した。
現生のダチョウと、絶滅した巨鳥エピオルニスの卵(左)。手で持っているのはハチドリの卵で、ジェリービーンズほどの小ささ。(PHOTOGRAPH BY FRANS LANTING, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 続いて研究チームは、似たような形の卵を産む鳥の餌や巣、解剖学的構造に共通点があるのかどうか調べた。(参考記事:「エピオルニスの巨大な卵を探して」) そのなかには、鳥の飛行効率と移動能力を表す「ハンド・ウイング指数」もあった。加えて、出生地から別の場所へ渡りを行う能力も考慮した。 その結果、卵の形は産む数や環境要因、巣の特徴などと関係がない一方で、「ハンド・ウイング指数」が最も高い、つまり最も効率的に飛べる鳥は、卵の非対称性または楕円率が最も高いことがわかった。 「さまざまな形の卵があることについて、最もうまく説明できる要素が飛行能力だとわかり、私たちはショ
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