カナダ・トロントを拠点とする撮影監督およびデザイナーのダニエル・ヴォシャール氏は、コロナ自粛期間中に興味深いプロジェクトを行った。 かつてローマ帝国を支配した54人の皇帝たちを、AIを使用して彫刻や胸像から復元し、肖像画にするというものだ。 完成したカラーの肖像画は、時代を生きたリアリティのある人間として彼らをより身近な存在にしてくれた。『Live Science』などが伝えている。
1000年以上も長きにわたり、古代マヤ文明の都市ティカルは、最大かつ重要な中心都市として君臨していた。 しかし、9世紀後半ごろに、ティカルと周辺の多くの町から忽然と人がいなくなってしまった。新たな分析の結果、ティカルにあった貯水池が、この集団移住の謎を解く重要なカギであることがわかった。 米オハイオ州、シンシナティ大学の研究チームが、現在のグアテマラにあったティカルの貯水池の堆積物を分析した結果、ティカルの住民が飲み水として利用していた水が、毒物に汚染されていた証拠が見つかったのだ。
紀元前430年、ペロポネソス戦争の渦中にあった古代ギリシアで発生した疫病。腸チフス、天然痘、はしかなど、具体的にどの感染症だったのか特定できていないが、最有力なのは腺ペストだ。 古代ギリシャ文明を衰亡させたと言われているこの疫病は凄惨だった。迫りくるスパルタ軍から身を守るために、アテナイ住民が城壁内に退避した際に病気が発生。狭い城壁内では、疫病の流行はもはや運命付けられているようなものだった。指導者のペリクレスをはじめ、住民の4分の1から3分の1が命を落としたとも言われている。 9. マラリア ほぼ熱帯のみでしか見られない病気だが、今なお世界中で無数の人々の命を奪うパンデミックである。その感染者は毎年2億人にも及ぶ。 蚊が媒介する寄生虫(マラリア原虫)が原因で、薬が効きにくく、信頼性の高いワクチンもまだ開発されていない。 マラリアの被害は歴史的な影響を及ぼしており、ローマ帝国が衰退した一因
この少女が誰なのか、ドイツで何をしていたのか――。アサンテ監督はこの写真に興味を持ち、アマンドラ・ステンバーグとジョージ・マケイを起用した新作「Where Hands Touch(その手が触るところ)」(邦題「16歳、戦火の恋」)を製作した。
今夏、仏ルモンド紙など欧州メディアが相次いで「黒人のサムライ」を記事に取り上げた。彼の名は「弥助」という。イエズス会のアレッサンドロ・ヴァリニャーノが来日して織田信長に謁見した際、奴隷として連れていたアフリカ出身の人物で、信長に気に入られ武士になった。昨年、弥助の伝記実写映画がハリウッドで企画されたことで、改めて世界各地で注目を集めているのだ。 ◆日本のアニメやゲームからじわじわ人気に 海外での弥助ブームは、彼を描いた日本の漫画などを通して数年前から始まっていた。例えば、2007年に漫画『アフロサムライ』(岡崎能士著)がアニメ化されると、アメリカでは先行放送。声優を務めたサミュエル・L・ジャクソン主演で実写映画化も持ち上がっている。徳川家康に仕えた三浦按針ことウィリアム・アダムスが主人公のゲーム『仁王』(2017年)でも、「ヤスケ」が欧米での認知度を押し上げた。 欧州の場合、南蛮貿易や遣欧
2010年当時のアインダラ神殿。鉄器時代の貴重な石の彫刻が多数施されている。(PHOTOGRAPH BY MICHAEL DANTI) 3000年前に建造された壮麗な神殿、シリアのアインダラ神殿が、トルコによる空爆で破壊された。謎めいた巨大な足跡があるほか、旧約聖書に記されたソロモンの神殿の姿を解明する手がかりとなる建造物を残していた神殿だ。 その大きさにおいても、発掘された範囲の広大さという点においても、シリア屈指の遺跡だった。なかでもよく知られていたのは、ライオンとスフィンクスを表した石の彫刻と、古代エルサレムにあったユダヤ教最初の神殿「ソロモンの神殿」に似ている点だ。 シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)とシリア文化省によると、1月26日、クルド人勢力が支配する都市アフリンの南部をトルコが攻撃。空爆により、神殿の大半が破壊されたと
錬金術とはただの金属を金(貴金属)に変える試みのことだ。また永遠の命をもたらす「賢者の石」の作成も目的の1つであった。 古代ギリシアのアリストテレスらは、万物は火、気、水、土の四大元素から構成されていると考えた。だとすれば金属を黄金に変成することも可能だと考えた。 これに成功した者は誰一人としていないが、錬金術師の試行錯誤で、硫酸・硝酸・塩酸などの化学薬品が発見され、現代化学へといたる扉を開くことになった。古代から中世に存在する錬金術師はある意味科学の先駆者のようなものだ。 ハリーポッターでおなじみの伝説の錬金術師、ニコラ・フラメルをはじめ、著名な錬金術師はほとんど男性であるが、時代を先取りし、傑出した業績を残した女性の錬金術師も数多く存在する。 ここでは、歴史上忘れられた存在ではあるが、錬金術および科学に深い関心を持ち、情熱を傾けた10人の女性を見ていくことにしよう。
新しい研究によれば、青銅器時代の鉄製の武器や道具はいずれも隕石から抽出した素材で作られたのかもしれないそうだ。 この発見は、鉄鉱石から鉄を精錬する技術を人類が発明する前に作られた鉄器の作成方法について、専門家に深い洞察をもたらしてくれる。
AIを使ったすごく野心的なプロジェクトが生まれていました。 その名も『The Hieroglyphics Initiative』。 このプロジェクトは、『UBISOFT』という企業が中心になって、Googleと協力しながら古代エジプトの象形文字を機械学習で解析しようというもの。 紀元前に使われていた文字の解析とか、壮大すぎてワクワクしかしないですよね! そもそも『UBISOFT』ってどんな会社? 『UBISOFT』は、世界96カ国に事業展開するゲーム開発・販売会社で、世界第3位のゲームデベロッパーです。 有名な作品に『アサシンクリード』があります。このゲームは、暗殺者を祖先にもつ主人公が、先祖の記憶を追体験するゲームなのですが、「世界の歴史を明らかにすることの難しさ」を製作チームが開発中に感じ、プロジェクトを計画したとか。 『UBISOFT』は、昔からAIをゲーム領域で利用していたそう。A
ポルトガル王室の紋章(上部)とマヌエル1世の個人的紋章である古代の天球儀(下部)が刻まれた「アストロラーベ」。(PHOTOGRAPH BY DAVID MEARNS, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 2014年に中東オマーン沖で発見された沈没船の残骸のなかに、500年前の銅製の小さな円盤が見つかった。これは「アストロラーベ」と呼ばれる航海用の道具ではないかと考古学者らが考え、3Dスキャンにかけたところ、表面にうっすらと目盛線が刻まれていることが新たに判明した。 円盤はやはりアストロラーベだったことが確認された。これまでに見つかっている大航海時代のものとしては、最古のものと考えられる。(参考記事:「【動画】古代ギリシャの沈没船で謎の円盤を発見」) 円盤が見つかったのはエスメラルダ号と呼ばれる沈没船で、ヨーロッパからインドへの海路をひらいたポルトガルの探検家バスコ・
2010年5月、アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山が噴火し、立ち上る黒煙の柱。遠方で起こった火山の噴火が、古代エジプトに深刻な影響をもたらしたのだろうか。(PHOTOGRAPH BY STEVE AND DONNA O'MEARA, NATIONAL GEOGRAPHIC ) 2300年前、アレクサンドリアの町をエウクレイデスとアルキメデスが散策し、クレオパトラの一族が王座に君臨していた頃、エジプトでは暴動や領土をめぐる争いが絶えなかった。当時、エジプトを支配していたプトレマイオス朝は、マケドニア人を祖先とするギリシャ系王朝だったため、民族的緊張が度重なる暴動の一因だったともいわれている。クレオパトラは、そのプトレマイオス朝の最後のファラオであった。 だが、科学誌「Nature Communications」に10月17日付で発表された新たな論文は、エジプトの騒乱にはもうひとつ別
オーストラリアの科学者が約3,700年前のものとされる古代バビロニアの粘土板の解読に成功した。そこには世界で最も古い三角法の表が記載されていたという。 粘土板は20世紀初頭に発見されたもので、初めて解釈が進められたのは1945年のことだ。それ以来数学者を引きつけてきたこの粘土板だが、その三角形の記述に専門家も首を傾げてきた。 今回判明したのは、それが三角法に関係しているということだ。
鉛筆、消しゴム、分度器などなど、学校生活を営む上で当たり前のようにお世話になった学用品やっ文房具。 だが、それがいつの頃から学校で使われるようになったのか考えたことがある人はそうは多くないだろう。ものによってはありえないくらい古い時代から存在していたり、ものによっては日本が起源のものもある。 それではそんな10の学用品の起源を見ていくことにしよう、そうしよう。
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