「唯一、生き残るのは変化できるものである」これは進化論の父チャールズ・ダーウィンのセリフだ。だから喜ぼう。私たち人類は今この瞬間も変化している。 『Journal of Anatomy』(20年9月10日付)に掲載された研究によると、前腕に動脈が3本ある人が増えているという。この事実は、私たちがまだ独自の進化を遂げていることを示す証拠と考えられるそうだ。
赤みを帯びた緑を想像してみてほしい。それらを混ぜ合わせたときにできる茶色ではなく、赤のようで、それでいて緑のような色だ。あるいは黄色っぽい青でもいい。緑ではない。黄と青、両方の色合いを持つ色だ。 なかなかイメージするのは難しいだろう。そうした色は存在するが、人間には決して見えないからだ。赤緑色や黄青色は、「禁色(forbidden colors)」と呼ばれている。これらの組み合わせは、人間の目の中で相殺されてしまい、同時には決して見えない。ゆえに禁じられた色である。 日本では平安時代の朝廷で、一定の地位や官位等を持つ者以外に禁じられた服装のことを禁色と呼ぶが、そっちではないし、三島由紀夫の小説でもない。
大学で美術を教える先生の描く人体解剖図が凄い 台湾の樹徳科技大学で美術を教える鍾全斌(チュアン・ビン・チャン)先生は、3年ほど前にSNSを介して有名になった。 というのも、チャン先生が黒板に描く人体解剖のデッサンが緻密過ぎて凄いのだ。 そのあまりにもディテールに富んだデッサンを見ていると、そこは医学部かと勘違いしてしまう人もいるようだが、チャン先生が教えているのは視覚伝達学科で、イラストや美術解剖学、絵画技法などを主に担当している。 デッサンは教科書代わりの最適な学習法 多くの教師にとって、教科書とオンラインソースは教室で通常使用する基本的な教材の一部だろう。しかし、チャン先生はデッサンが学習に最適なアプローチだと考えている。 教科書はありますが、私のクラスでは使わずに描いて学んでもらいます。この分野を専攻する学生は、本の写真を見るだけでは学べません。 私のクラスでは、生徒が黒板に私が書い
男性から少女に両腕の移植が行われるという非常にまれな症例で、移植された男性の腕の色が時間の経過とともに変化し、太さも女性のように細く変化していったことが報告されました。医師らも予想だにしていなかった変化とのことで、原因について、いくつかの仮説が立てられています。 Hand Transplant Process at Mayo Clinic - Hand Transplant - Hand Transplant at Mayo Clinic https://www.mayoclinic.org/departments-centers/transplant-center/hand-transplant/preparing/process 21-year-old student from Pune and the curious case of her changing hands | Citi
楽しみと不安が半々だったが、特に性的興奮を覚えたわけではなかった、とイダ・サベリス(Ida Sabelis)は当時を振り返る。その土曜日の朝、彼女は恋人と3時間かけて、アムステルダムからオランダ北部の湿地帯のフローニンゲンに向かった。その街の病院のMRI検査室で3人の科学者と話をしていたとき、彼女のなかにこんな想いが沸き起こった。 「この部屋にいる女性が自分だけだということに気づいたんです」と彼女はそのとき感じた激しい怒りを語った。「女性の身体の研究なのに、私しか女性がいないなんて!」 そもそもイダがこのプロジェクトへの参加を決めたのは、善意からというのもあるが、自身が女性の権利運動に青春を捧げた情熱的な人類学者だからだ。検査室内の歪なジェンダーバランスは彼女を苛立たせたが、同時に彼女のやる気を刺激した。イダは恋人の背中を叩き、「じゃあ、始めましょうか?」と声をかけた。 3人の科学者は直立
先月のとある平日の午後、スーツ姿の男性たちが続々とある映画の試写会へ。何の映画?と思いきや、なんと「生理用ナプキン」をテーマにした映画です。いったいなぜ?そしてどんな反応が?男性も女性も「生理」を知り、語り、理解する。新たな動きを取材しました。 (科学文化部記者 信藤敦子・社会番組部ディレクター 村山かおる) その映画は「パッドマン 5億人の女性を救った男」。インドで愛する妻のために、安くて安全な生理用ナプキン(パッド)の開発に人生を捧げた男性(マン)の、実話に基づく作品です。 映画の中で、生理は終始「けがれ」として扱われますが、主人公は村の人々から奇異の目で見られながらも、6年の歳月をかけてナプキン製造器を開発。“5億人の女性を救った”だけでなく、雇用も創出し、2014年にはアメリカの雑誌「TIME」の「世界で最も影響力のある100人」の1人に選出されました。 映画は業界内でも公開前から
今年も暑い夏でした。最高気温が名古屋でも39.3℃などという話題の出た年でした。 そんなある日のことです。あまりにも暑くて汗が出たので、シャワーを浴びました。汗も流れてさっぱりしましたが、ふと気になったことがあります。「今浴びているシャワーの温度は38℃。熱いどころかすごく気持ちいい。今日の最高気温は35℃だったのにすごく暑かった。もし気温が38℃になったらもっともっと暑いはず。同じ38℃が自分の体の周りにあるのに、どうして気温の場合には暑くて、シャワーは気持ちいいの?」ということです。 気温はからだ全部が38℃の空気の中に入っていますが、シャワーは38℃の水滴があたっているので、ちょっと違います。すぐに風呂を38℃に設定してわかして入ってみました。すると熱く感じません。なぜ、気温の38℃は暑いのに、風呂の38℃は熱く感じないのでしょう。すごく不思議です。 科学部のみんなに話しても「なんで
Credit : Australian Red Cross Blood Service via Facebook 特別な血により、新生児にとって命取りとなる「Rh式血液型不適合妊娠」から240万人以上の赤ちゃんの命を救ったオーストラリアの男性が、今月の献血を最後に引退することとなった。 特別な血を持ったヒーロー 男の名はジェームズ・ハリソン(James Harrison、写真)。オーストラリア赤十字血液サービスによれば、現在81歳の彼はこれまですでに60年間に渡り1100回以上も血を寄付し、240万人以上の赤ちゃんの命を救った。 どうやって赤ちゃんの命を救ったのか?それは献血だ。 Rh式血液型不適合妊娠 血液型の「Rh+」、「Rh-」というのを聞いたことがある方もおられるだろう。もしもRh-の女性がRh+の赤ちゃんを妊娠する場合「Rh式血液型不適合妊娠」となる。 こうなれば、赤ちゃんの赤血
さてまた毛の話をしようか。 東に特効薬があると聞けば、行ってすぐそれを試し 西に発毛効果の高い食材があると聞けば、行ってそれを食べ 南に発毛ツボ押し師がいると聞けば、行ってその施術を受け 北に再生医療の最先端技術があると聞けば、行って注射を打ってくる。 抜けた時は涙を流し、頭部の寒さにおろおろ歩き みんなにハゲ薄毛と呼ばれ 褒められもせず、苦笑しかされない そういうものに、多分なりたくはなかったはずだ。 じゃあどうすればいいのか? これまでのところ、ハゲを防止し、髪を生やす方法としてきちんと立証されているのはごく少数のみである。科学的にその効果が証明されているのは、今のところ日本でも発売されている2つの薬剤しかないそうだ。
自分が死んだ後は自然に還りたい。焼骨したら骨を海にまいてほしい、遺体をそのまま植物の肥料にしてほしいと願っている人もいるだろう。 実際に一般的な遺体の処理方法である火葬や土葬は環境には大きな負担となる。 アメリカの葬儀会社の試算によると、火葬1回につき車の運転800キロ分のガスと電力が消費される。これによって排出される二酸化炭素は110キロだ。 日本ではほぼ行われていないが、アメリカでは現在でも主流となっている土葬の場合、棺桶とその装飾物に含まれる化学物質による土壌汚染が懸念されている。 最近では、環境への負荷を考慮したエコフレンドリーな埋葬方法が次々と登場している。ここではすでに紹介したものも含めて、自然にやさしい7つの埋葬方法を見ていくことにしよう。
地球とは環境がまるっきり違う宇宙。人体に対する影響は計り知れないものがあるのだろう。 長期間宇宙に滞在した宇宙飛行士に”宇宙熱(space fever)”という症状が生じることがある。2ヶ月半以上、無重力下にあると中核温(内臓など、環境の温度に影響されない体の深い部分の体温)が1℃上昇するらしいのだ。 平熱36.5℃の人なら37.5℃となってしまうのだから、ちょっとした微熱状態である。一体なぜこのようなことが起きるのだろう? 最新の研究によると、重力の弱さが関係しているという。まもなく火星への有人飛行が予定されているが、宇宙旅行時代の幕開けの前に対策を練る必要がありそうだ。
年末ということで、お酒を飲む機会が増えている方も多いはず。しかし、そうなると気になるのが「飲みすぎ問題」ではないでしょうか? 「つい飲みすぎた」→「二日酔いでつらすぎる」→「もう二度と飲むものか(夕方にはまた“飲みたいモード”へ)」といった、なかなか抜け出せない悪循環は、お酒を飲む人にとっての普遍的な悩みです。 そこでオススメしたいのが、『酒好き医師が教える 最高の飲み方』(浅部伸一監修、葉石かおり著、日経BP社)。“酒ジャーナリスト”を自称する著者が、酒好きの医師や専門家から“カラダにいい飲み方”を聞いてまとめたもの。具体的には、以下のような経緯から生まれたようです。 お酒はおいしいし、楽しい。でも健康不安を抱えながら、このペースで飲み続けていいのだろうか? そんな不安を抱えて飲んでいたアラフィフの私が、「お酒と健康」をテーマにした本を出すことになった。正直、医療分野に長けているわけでは
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