腸は第二の脳とも言われているが、研究が進むにつれ、感情や気分、対人コミュニケーションにまで腸が関与している可能性も浮上してきた(該当記事)。 人の腸には約3万種の腸内細菌が存在すると言われているが、その中には発電するものがあるのだそうだ。 発電する細菌「起電性細菌」自体は特に新しいものではない。湖の底のような、私たちが暮らすところから遠く離れた場所でならすでに見つかっている。 しかし腸内にそれがあるとはびっくりだ。
感染した昆虫のオスを卵の段階で殺し、メスだけを残す細菌「スピロプラズマ」。その仕組みを産業技術総合研究所(産総研)が解明した。 自然界では昆虫と細菌がしばしば共生するが、なかには感染した昆虫をすべてメスにしたり、性分化や生殖様式を劇的に変えたりといった「生殖操作」を行う細菌も存在する。産総研では、すでにチョウなどの生殖を操作する細菌「ボルバキア」について研究成果を上げている。 今回はさらにスピロプラズマと、キイロショウジョウバエの関係を解き明かした。 通常、キイロショウジョウバエのメスが産む卵からはオスとメスがほぼ半々の割合で発生する。だがスピロプラズマに感染したメスの産む卵からはメスのみが発生する。 調べてみると、感染したメスの産む卵の孵化率は半減しており、オスの卵はすべて死んでいた。卵の「胚」を見ると、メスの胚は正常だが、オスの胚は全体にアポトーシス(細胞の自死)が起きていた。 なぜオ
ジャンクDNAはガラクタじゃない! どうやら背骨に関係が…2016.09.12 10:056,483 そうこ 背筋を伸ばして胸はって言います、僕たちはガラクタじゃないと! ジャンクDNA、それはあっても意味がない無駄なDNA。いや、無駄というか、機能が特定されていないDNA領域のこと。ジャンクDNAなんて面白いネーミングだなぁと思っていましたが、DNA側からしたら失礼な話かもしれません。研究が進み、ジャンクDNAにも機能があるなんて話がでてきたら、「ほらみたことか!」とジャンクDNAも怒りますよ。 DNAの研究が進むにつれ、ジャンクDNAには生物進化の過程で重要な役割があったという説がでてきました。スコットランドはエディンバラ大学の生物学者Valerie Wilsonが、脊椎動物は体の大きさはまちまちなのに、種によって肋骨の本数が同じなのはなぜかと疑問を発しました。このテーマを研究するポル
生物専門の同僚と「科学的な考え方」,特に「仮説と実験との関係」について話をしているとき,「仮説がなければ,人は実験などし ようとは思わ ないものだ」と私は言った。私が実例として知っているのは物理学に関するものばかりだったが,生物学の分野で適切な例はないかと考え,すぐ思いついたの はメンデルの「エンドウの実験」だった。 エンドウ交配の結果生ずる豆の色や皺その他の性質の現れる数を数量的に調べてみたら,その数に見事な数量的な法則性があることが 浮かび上がっ てきた。そこで〈エンドウの遺伝形質は因子によって伝えられる〉ということを明らかにすることに成功したのである。(板倉聖宣著『科学者伝記小辞典』仮説 社) しかし私は,「メンデルは,エンドウの実験をする前に,すでに『メンデルの法則』を仮説として持っており,それを確かめるため に 実験をしたはずだ。そうでなければこんな面倒な実験を8年間も続けるはず
それは神の領域とも言われ、倫理的な問題から禁断の科学とされているキメラ研究。アメリカ政府が解禁を予定している、人間と動物の遺伝物質を複合させるキメラ胚研究の解禁に対して、専門家から批判の声が上がっている。 これは、新たに公表されたガイドラインから、ヒト幹細胞を動物の胚に注入するというフランケンシュタイン的なキメラ実験の解禁が検討されていることが明らかとなったことを受けてのものだ。
生きとし生けるものの祖先の遺伝的特性。それは地上に最初に現れた生命の謎に光を当てるものだ。 大昔に存在した生命の祖先は単細胞の細菌のような有機体だった。それでも、気高き名前を、少なくとも頭文字が与えられている。 それはLUCA(Last Universal Common Ancester = 全生物最終共通祖先)という。今から40億年前、地球が生まれて5億6,000万年経った頃に生きていたと考えられている。
米陸軍が企業と契約して、「遺伝子操作された蚕」の糸でボディアーマーを開発するかも2016.07.20 10:00 Haruka Mukai 「Dragon Silk」っていう名前だけ聞くとあんまり強くなさそうなのに。 バイオテクノロジーを用いた研究開発や商品化を行なう米国の企業Kraig Biocraftが、Dragon Silk製のボディアーマーの開発に関して、米陸軍と10万ドル(約1050万円)の契約を結んだと発表しました。 Dragon Silkとはクモの遺伝子を導入した蚕からつくる繊維素材のこと。これから異なる縫い目や厚み、構成技法で性能テストを実施し、その結果によっては、同社と米陸軍が総額100万ドル(約1億600万円)の契約を交わす可能性もあるのだとか。 Kraig BiocraftのDragon Silkは、戦闘服によく用いられているケブラー繊維に比べて、圧倒的に高い伸縮性を
スイッチひとつで忘れてしまうなんて。 ベルギーのルーヴェン・カトリック大学と、ドイツのライプニッツ神経生物学研究所が「Biological Psychiatry」にて、記憶に関する新たな発見を発表しました。研究によると、マウスを使って行なわれた実験で「遺伝子スイッチ」を切ることで記憶が消えたというのです。さて、遺伝子スイッチとは…。 研究で使われた実験マウスは、ランプが点くと箱の中を移動するように「移動しないと足にビリビリとショック与える」仕組みでトレーニングされました。しかし、しっかりとトレーニングを積んだマウスが、遺伝子スイッチを切ると、ランプ点灯→移動というタスクがこなせなくなったのです。これを、研究者は遺伝子スイッチオフにより、記憶の一部が消えたからだと考えました。 さて、この実験でいう遺伝子スイッチとは、「neuroplastin(NPTN)」とよばれる遺伝子のこと。未知の部分が
人類の夢、若返りの薬が本当に発明されそうです。 老化を防ぐ夢のような成分、NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)が発見され、マウス実験では、寿命も延びたことが実証されました。そしてお次は人体への試験です。 米セントルイス・ワシントン大学と慶応大学が7月にも国内で臨床試験を開始する計画で、10人の健康な人にNMNを投与、安全性の確認をした後、数年かけて体の機能の改善効果の有無を調べます。その結果が良好なら世界初、本当に効果あるアンチエイジング薬品として市場に登場するはず。 ワシントン大学教授の今井眞一郎氏は、NMNがサーチュイン遺伝子を活性化させることを発見したこの研究の第一人者。NMN(βニコチンアミドモノヌクレオチド)は、加齢に伴い働きが弱まるサーチュイン遺伝子(別名、長寿遺伝子)に働きかけ、老化の速度を弱めると言われています。サーチュイン遺伝子は、昆虫から哺乳類までほとんどの生物が
寄生バクテリアの一種、ボルバキアに感染したハチの卵。染色により感染の様子が観察できる。 Photograph courtesy Merijn Salverda and Richard Stouthamer via NSF 急速にその数を増やしている寄生バクテリアがいる。このバクテリアは、宿主を性転換させて単為生殖化を引き起こすだけでなく、宿主を“気味の悪い怪物”に変身させてしまう。このような大惨事ともいえる生殖異常を引き起こす仕組みが最新の研究で解明された。その方法とは、免疫系を停止させることだという。 キョウソヤドリコバチをはじめとする寄生ハチ3種のゲノムを初めて解読した研究者チームによると、バクテリアの一種であるボルバキアはハチの遺伝子を操作し、バクテリアの侵入に対して警報を発するタンパク質を抑え込んでしまうという。その結果、バクテリアに対する防御機構が機能せず、ボルバキアは悪事を働く
ノーベル賞を受賞した107名の科学者が、「遺伝子組み換え作物の普及を国際環境NGOのグリーンピースが妨げているのは科学的ではないので反・遺伝子組み換え作物キャンペーンは即刻やめるべき」とする書簡に署名しました。そこにはさまざまな事情が絡み合っているようです。 107 Nobel laureates sign letter blasting Greenpeace over GMOs - The Washington Post https://www.washingtonpost.com/news/speaking-of-science/wp/2016/06/29/more-than-100-nobel-laureates-take-on-greenpeace-over-gmo-stance/ グリーンピースに対して遺伝子組み換え食物キャンペーンをやめるべきであるという書簡を作成したのは、19
By Avenue G 片頭痛は誰でも知っている健康問題の1つで、5人に1人が経験しているといわれていますが、片頭痛のメカニズムは解明されていない状態です。多くの医師や科学者が片頭痛は血管および神経の障害が原因であると仮説を持っていますが「片頭痛が血液供給システムの問題から生じている」という、従来の片頭痛に関する仮説を裏付ける研究結果がNature Geneticsで発表されました。 Meta-analysis of 375,000 individuals identifies 38 susceptibility loci for migraine : Nature Genetics : Nature Publishing Group http://www.nature.com/ng/journal/vaop/ncurrent/full/ng.3598.html Migraines may
生きているバクテリアの細胞にデータを記録して、後世に残せることが明らかに2016.06.17 13:0311,795 Rina Fukazu まさに、生きるデータストレージ...! 生きている微生物の細胞にデータを記録する技術を開発したのは、ハーバード大学の研究チーム。しかも、埋め込まれた情報は永久的で、次の世代へ引き継ぐこともできるのだそう。 今回の研究で活用されたのは、遺伝子編集ツール「CRISPR」。たった数年前にバイオテック界に登場した分子編集システムで、安価で使いやすいといわれています。これまで遺伝子工学、RNA編集、疾患モデリング、HIVなどのレトロウイルス除去に用いられてきました。そしていま、CRISPRは「微生物を、紛れもないハードドライブに変換できる」ことがサイエンス紙新刊で明らかにされています。 以前にも、科学者たちによって完全に人工的な手法で同じ実験が行なわれたことが
「犬の起源」で検索すると「中央アジア」、「ヨーロッパ」、「中国」などいろいろいろいろ出てきて「どれが本当なんだ!」となりますが、オックスフォード大学率いる国際チームの遺伝子研究で実は、2つの異なる古代オオカミからめいめい勝手に犬になっていたことがわかりました。 しかも家畜化が起こったのはユーラシア大陸の東西両端。犬は東と西で、同時多発的に人間と暮らすようになっていたのであります。 犬が最初に現れたのは15,000年前の、農耕が始まる遥か以前のことでした。犬は人間に飼われた最初の動物です。もともとは古代オオカミだったのですが、飼って犬にしたのがヨーロッパが先かアジアが先かで、ずっと綱引きが続いていました。 従来の研究では犬が家畜化されたのは1度きりと考えられていたので、その時期と場所をめぐって議論が白熱していたんですね。ところが「これぞ最初の犬」と思われる骨はアジアの遺跡からもヨーロッパの遺
鳥やミツバチ、ペンギン、ライオンやキリンなど、自然界では同性愛が普通に存在する。なぜ動物に同性愛が存在するのか?その理由は進化上の謎とされてきた。だが、最近の研究で同性愛行為に遺伝的な利点があることが明らかになったそうだ。 かのチャールズ・ダーウィンは、動物の性衝動は生殖を促すようできており、それゆえに必ず異性愛になると考えた。しかし、自然界にはかつて専門家が一部の例外として否定してきた同性愛が、それまで考えられていた以上に普通に存在することが明らかとなりつつある。エミュー、鶏、コアラ、サケ、猫、フクロウ、イルカなど、自然界の同性愛は1,500種で目撃されており、そのうち3分の1できちんと信頼の置ける記録が取られている。
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