モンゴルの荒涼たる地域で、長い間、忘れ去られていたかつての帝国の首都が発見された。考古学者たちは、ここは伝説的な匈奴の都市"ドラゴンシティ"だったのではないかと考えている。 匈奴は、紀元前4世紀頃から中央ユーラシアに存在した遊牧民族および、それが中核になって興した遊牧国家だ。 モンゴル高原を中心とした中央ユーラシア東部に一大勢力を築きあげ、中国王朝の歴史を語る上で欠くことのできない重要な存在で、強大な力をもった謎に満ちた民族だったと言われている。
古代エジプトの都市ヘラクレイオンは、かつて貿易港として栄えた町だったが、現在は、地中海のアブキール湾沖に沈んでいる。 この海底都市は約20年前に発見されているが、ダイバーたちによる最近の発掘によって、おそらくこれまでで最高といっていい新たな発見があった。 最新の水中探索で、エジプトとヨーロッパの専門家たちが海の底で新たに見つけたのは、巨大な神殿遺跡、そして、数隻の船に積まれた硬貨や宝飾品などの財宝だ。
4月、北海とスカゲラク海峡に沈んでいる難破船の位置をマップ化するというプロジェクトの作業中、デンマーク最北端の町スカーゲンから北に17キロのところでナチスのUボートが発見された。 大戦中1165隻が建造されたUボートは、数あるナチスの兵器の中でも特に恐れられており、連合国側海軍の損失の7割がこれによるものとされている。 そのUボートでもナチスの科学技術のすべてが注ぎ込まれたとされるのがXXI型。118隻が作られたが、実際には2隻しか就航しなかった。 発見されたものはXXI型のU-3523で、ドイツが降伏した翌日の1945年5月5日に英国の爆撃機によって撃沈されたものだと考えられている。 9. 世界最古の絵画
伝説のダビデとゴリアテの戦いなどを描いた旧約聖書の記述以外、紀元前10世紀に存在したという古代イスラエル王国に関する歴史的記録は長い間論争の的とされてきた。 最新の考古学的発見は、ダビデが全イスラエルを統一したという伝説を裏付けていた。 イスラエル、バル=イラン大学の考古学者アブラハム・ファウスト氏とヤイール・サピア氏がテル・エトンの発掘現場を放射性炭素年代測定法したところ、その成立が紀元前11〜10世紀であることが判明した。
手稿が見つかった聖カタリナ修道院。エジプト北東部、シナイ半島にある。(PHOTOGRAPH BY UIG, GETTY IMAGES) 歴史上、ヒポクラテス以上に有名な医者はいないだろう。今日でも多くの医学生が、医療倫理の原則をうたった宣誓文「ヒポクラテスの誓い」を立てる。 その生涯について詳細は不明だが(彼自身が宣誓文を書いたのか、写本の一部なのかさえ議論がある)、古代ギリシャで活躍したヒポクラテスは「西洋医学の父」と広く認識されている。 そんな人物による処方せんの1つが発見されたかもしれない。現役のものでは世界最古の図書館を修復作業中のことだ。 削り取られた文字 発表によると、エジプト北東部、シナイ半島にある聖カタリナ修道院で、図書館の修復作業にあたっていた修道僧が、処方せんの記された6世紀の手稿を発見したという。調査にはギリシャの研究者のほか、エジプトとギリシャの政府が協力しており、
わたしたちの足元、地面の下にはあちこちに歴史の名残が埋まっている。大昔ここに住んでいた人々は誰なのか、なにを大切にしていたのか、住んでいた家はどんなだったのかなど、その生活の断片を垣間見ることができる。それは朽ちた遺体の骨も同様だ。 しかし、数千年前の生活は、必ずしも平穏なものではなかった。ときに発見された遺体から、その死が残酷で暴力的だったことがわかることもある。それはまさにホラー話さながらであることを示しているのだ。
穴が開けられた頭蓋骨。紀元前3500~3400年に生きていた若い男性のもの。(PHOTOGRAPH BY PRISMA, UIG/GETTY) 医者は簡単な道具を手に取ると、生きた人間の頭蓋骨に穴を開けた。そして砕けていた頭蓋骨のかけらをほとんどきれいに取り除いた――現代のような麻酔や滅菌技術を用いないこの手術で、なんと、患者は回復した。 思わず身震いするようなこの手術は、古代の医術である穿頭術(トレパネーション)の一例だ。米テュレーン大学の形質人類学者ジョン・ベラーノ氏は古代の穿頭術を徹底調査し、このほど5人の共著者と『Holes in the Head: The Art and Archaeology of Trepanation in Ancient Peru”(頭に開いた穴:古代ペルーの穿頭術の技術と考古学)』を出版した。 数千年前はヨーロッパや南太平洋でも穿頭術が行われており、ア
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アンコール・ワットの近くに眠る古代都市の詳細がレーザースキャンの技術で明らかになる2016.06.16 11:506,798 たもり ユネスコ世界遺産に登録されており、東南アジアでも屈指の遺跡群であるアンコール遺跡群。その近くのジャングルには古代都市が眠っているのですが、「レーザースキャン技術の力でその詳細が明らかになった」と英Guardianが報じています。 上空からレーザースキャンする技術を使って専門家たちが調査を行なった範囲は約1,901平方キロメートル以上。その結果、古代都市は約900年〜約1400年前のもので、カンボジアの首都プノンペンと匹敵するほどの広さの都市もあることがわかりました。 カンボジアの考古学研究機関である「Cambodian Archaeological Lidar (light detection and ranging) Initiative (CALI)」と
Photo by Mark Fischer 悲劇の少年王、ツタンカーメンの副葬品のダガーは宇宙からやってきたものでした。詳細は以下から。 古代エジプト第18王朝のファラオ、ツタンカーメン。紀元前14世紀中頃に幼くして即位し、20歳を前に謎の死を遂げたこと、そしてほぼ盗掘の被害を受けていない墓が発掘されたことから古代エジプトの長い歴史の中でも最も有名な王として現在世界中に知られています。 そんなツタンカーメンの黄金のマスクをはじめとする数々の副葬品のひとつに鉄のダガーがあったのですが、人類最初の鉄器文化は紀元前15世紀頃に現れたヒッタイトとされています。 紀元前1190年頃にヒッタイトが滅亡した後に秘匿されていた製鉄法が周辺民族に伝わり、エジプトやメソポタミアで鉄器時代が始まることになるのですが、ツタンカーメンの治世はそれよりもはるかに昔のこと。 そのツタンカーメンの墓の、ミイラの右太股に置
ブルニケル洞窟内でストーンサークルの測定を行う作業員。(PHOTOGRAPH BY ETIENNE FABRE, SSAC ) フランスの洞窟の奥深くに先史時代の人々がつくった神秘的なストーンサークルが、長い歳月を経て闇の中から再び姿を現した。 5月25日に科学誌『ネイチャー』に発表された論文によると、この奇妙なストーンサークルは約17万6000年前のもので、石筍を並べて作られている。考古学者の推測によると、これをつくったのが二足歩行の動物であったとすると、年代からしてネアンデルタール人としか考えられないという。この構造物は、ネアンデルタール人が予想よりはるかに高い能力を備えていたことの証拠となる。 英ロンドン自然史博物館の古人類学者クリス・ストリンガー氏は、「この発見は、ネアンデルタール人が石づくりの構造物を設計して建設する能力を備えていたことと、人工的な照明がなければたどり着けない洞窟
イスラエルのエルサレムで古代ギリシャ時代の城塞遺跡が発掘された。(Photograph by Xinhua, JINI, Xinhua Press, Corbis) イスラエルの考古学者らは、エルサレム旧市街の中心部で2000年以上前に古代ギリシャ人が築いた堂々たる城塞跡を発掘した。この遺構は、ヘレニズム文化が古代エルサレムの街を支配していた時代についての初めての物証となる。 これまでは文献でしか知られていなかったが、城塞は、ギリシャ人支配からその追放へと発展する血なまぐさい反乱の中心地だった。ユダヤ教徒は今でもその出来事をハヌカ祭として祝っている。(参考記事:「聖地の門」) 「今回、ここがアクラと呼ばれる城塞の一部であることを示す、大きな証拠が得られました」と語るのは、イスラエル考古学庁の考古学者で発掘の責任者であるドロン・ベン=アミ氏だ。 発掘現場は、北は神殿の丘、南はパレスチナのシル
ホンジュラスの熱帯雨林の奥地で昨年、LiDARスキャナーを持った考古学者が、失われた都市の遺跡を発見した。LiDARは、レーザー光を使ってジャングルの林冠の下を探査する技術だ。このような新技術の登場により、「探検の新時代」が訪れている。(PHOTOGRAPH BY DAVE YODER, NATIONAL GEOGRAPHIC) ナショナル ジオグラフィック協会が初めて考古学者に支援金を出したのは、1912年のこと。支援を受けたハイラム・ビンガム氏は、当時の最新技術であるコダックのカメラを持って、マチュピチュへと旅立った。あれから100年の間に、驚くほどのツールが登場した。人間の目に見える波長を超えて「見る」ことができるリモートセンシング装置や、人間がやれば1000年はかかる計算を一瞬でこなすコンピューターなどだ。 協会フェローの考古学者、フレデリック・ヒーバート氏は言う。「ナショナル ジ
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