10月9日 マルサシュロックの港で夕方の海を眺めながらベンチに腰掛けて缶ビールを飲んでいた。暇そうな地元の老人が隣に座ってぼんやりと沖を眺めていた。この老人、レー氏は76歳の地元マルサシュロック生まれ。退職するまで地元の造船所で働いていた。 レー氏は第二次大戦中のドイツ軍の空襲を体験している。子供のころ空襲警報が鳴って港の近くの岩山のシェルターに避難した記憶があるという。ドイツ・イタリア枢軸軍と連合軍はマルタを巡って熾烈な攻防戦をしたという。 レー氏によるとナポレオンがマルサシュロックの港に上陸してマルタは一時的にフランス領となった。しかしナポレオン戦争後マルタは英国領となり長年英国海軍の地中海の拠点であったという。 第二次大戦後マルタは英国から独立したが、その後も英国地中海艦隊はマルタの本拠地を維持していた。レー氏によるとその頃がいちばん良かったという。英国連邦(コモンウェルス)の一員と