「メダカの学校は川の中」と子どものころによく歌ったものだが、どうやら海の中にも似たような施設(?)があるらしい。 アイルランド政府が20年かけて海洋資源を調査するINFOMARプログラムの海洋科学者が、このほど新たな発見をしたようだ。 アイルランドのある海岸から320km以上離れた地点で遠隔操作型の無人潜水機を水深750mまで潜水させたところ、そこには珍しい光景が広がっていた。 とてもとても大規模な「サメの保育園」である。
アンコウは風変わりで謎めいた生き物だ。アンコウ目は16科300種ほどいるが、アンコウ科は25種でそのほとんどが海面から数百メートルの深海に潜む。種によっては標本すらほとんどなく、生きている姿を見たことのある者はさらに少ないだろう。 チョウチンアンコウ類に属する深海魚、ジョルダンヒレナガチョウチンアンコウ(Caulophryne jordani)もめったにお目にかかれないアンコウの一種だ。 今回、ドイツの研究者が特殊な潜水艇を用い、ジョルダンヒレナガチョウチンアンコウの生体を撮影することに成功した。 しかもその映像には、2匹のアンコウが仲睦まじく交尾の手はずを整える様子が映し出されていたのである。
突然変異や先天性変異は一定確率の割合で起こりうる。全てが同じだと非常時に全滅してしまう。それを防ぐ為にごく少数の変異体が発生するという説もある。ある意味多様性というやつだ。 だがそうではなく、見た目が不思議系だと、突然変異だとか天変地異だとか騒がれてしまう場合もある。 先日ロシアで、通常の口ともう一つ、腹側に口らしきものがある魚が発見された。経験豊富な漁師も観たことがなくやだこれモンスター!とびっくりしたという。
おいしそうな匂いがするから... 年間800万トンもの量が海に流れ込むプラスチック。その欠片を体内に取り込んだ魚が最終的に人間の食卓に並ぶ...なんていう食物連鎖は誰もが望まないもの。ところが「Proceedings of the Royal Society B」で先日公開された新たな研究によれば、とある魚は匂いに魅せられて自らプラスチックを摂取している可能性が示唆されました。 その魚とは、主に北アメリカの西海岸に分布し、カタクチイワシ科として知られるアンチョビ。研究によるとアンチョビは獲物と同じような匂いに反応しているのだそうです。 もともと日本人の科学者チームによって、アンチョビの体内から発見されたマイクロプラスチックとよばれる海中の微小なプラスチック片に関する調査結果が発表されたのは昨年のこと。こうした先行研究につづき、Savoca氏率いる研究チームではこれが意図的なのか、または偶然
群れで泳ぐタイセイヨウイサキの仲間(Haemulon sciurus)。(PHOTOGRAPH BY BRIAN J. SKERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 気候変動による海水温の上昇と海水に溶ける酸素の減少によって、マグロやハタから、サケ、オナガザメ、タラに至るまで、数百種の魚がこれまで考えられていた以上のペースで小型化している。8月21日付の科学誌「Global Change Biology」誌に掲載された論文でそんな結論が導き出された。 海水の温度が上昇すると、海の生きものの代謝が盛んになる。そのため、魚やイカをはじめ、生物は海水からより多くの酸素を取り込む必要が生じる。しかしその一方で、海水に溶ける酸素の量は水温が高くなるほど減る。この酸素の減少は、多くの海ですでに起きていることが指摘されている。(参考記事:「世界最大のサンゴ礁で大量死、豪政府
浜に打ち上げられたカクレマンボウとマリアン・ナイエガード氏。2014年5月、ニュージーランドのクライストチャーチに近いバードリングス・フラットの海岸で。(PHOTOGRAPH COURTESY MARIANNE NYEGAARD) 大がかりな探索の末、巨大なマンボウの新種「カクレマンボウ」が見つかった。マンボウ属に新種が加わるのは125年ぶり。研究チームがまとめた論文は、7月19日付けの学術誌「Zoological Journal of the Linnean Society」に掲載された。(参考記事:「動物大図鑑 マンボウ」) 重さ2トンを超える世界最大(重量)の硬骨魚類でありながら、マンボウはかなり人目につきにくい。そのため、4年にわたる調査は簡単ではなかった。(参考記事:「世界最大の魚ジンベエザメ」) オーストラリア、マードック大学の博士課程学生マリアン・ナイエガード氏、広島大元特別
とにかく長生き、ニシオンデンザメ 北大西洋に棲むニシオンデンザメは地球上で最も長命の脊椎動物だ。このサメは、独自の長命遺伝子を持っていると考えられている。 科学者たちは、ニシオンデンザメの長寿の秘訣に関して絶賛研究中だ。その秘訣が解明されれば、人類の遺伝子を編集して同じだけの寿命を与え、寿命を大幅に伸ばすことができるかもしれないという希望からだ。 「我々は、デンマーク、グリーンランド、アメリカ、そして中国の同僚と共に、核ゲノムを整理しているところです」北極圏大学(トロムソ大学)のキム・プレベル博士は語る。 「ニシオンデンザメが、サメとしてはもちろんのこと、他の脊椎動物よりも長命な理由を発見する助けになることでしょう」 プレベル博士のチームは、体長5メートルにもなる大きなサメから、小さな部品を取り出してきた。1750年ごろに生まれた個体も何頭かあるという。 研究チームはミトコンドリアDNAの
海に囲まれた歴史あふれるブラジルの街では、火傷を負った患者がまるで半魚人であるかのような姿をしている。ティラピアという魚の皮膚で覆われているのである。 フォルタレザの医師はII度およびIII度熱傷の患者の包帯として魚の皮膚を試している。このイノベーションはブラジルならでは事情ゆえに必要となった。 昔から途上国では動物の皮膚が火傷治療に使用されてきが、ブラジルでは人間の皮膚はおろか、豚の皮膚にもこと欠いたのである。
【動画】粘液を分泌する唇を使って、クロベラの一種(Labropsis australis)はサンゴの肉を食べることができる。 自撮り写真を撮る際に、唇を突き出した表情を作る人はよくいるが、熱帯魚の中には、生存戦略として唇を突き出しているものがいる。 6月5日付けの科学誌「Current Biology」に発表された論文によると、インド洋や西太平洋にすむクロベラ属の一種(Labropsis australis)は、粘液でヌルヌルとさせた唇を武器に、毒針を持つサンゴを食べているという。 サンゴは一見、やわらかくて害がなさそうに見えるかもしれないが、餌にするには手強い相手だ。サンゴの骨格は先端が鋭く尖っており、その上に被さる本体は、無数の毒針と粘液で覆われている。こうした理由から、論文によるとサンゴ礁に生息する約6000種の魚のうち、サンゴを食べる種は128種しか報告されていない。およそ98パー
海洋探査をしていたオーストラリアの研究チームが、「顔がない」ように見える魚を発見した。100年以上前に1度しか確認されていない種だ。 この魚は1873年に、パプアニューギニア沖で1度だけ確認されている。今回はオーストラリア東部沖の水深約4000メートルの深海で発見された。目はなく、口は体の下に付いているため、まるで顔がないかのように見える。(参考記事:「深海の最新写真10点、奇妙で神秘的なガラパゴス沖」) オーストラリア政府の研究チームは、5月15日にスタートした調査船インベスティゲーター号による1カ月にわたる調査航海のなかで、今回の深海魚を発見した。ソナーや深海カメラなどを駆使して新種の生物を探しており、とげの生えた真っ赤なカニや目の見えないウミグモ、深海ウナギなども発見している。(参考記事:「【動画】深海魚のヌタウナギ、驚異の7つの異能力」) 調査の折り返し時点までに、数千の試料を採取
「顔のない魚」とよばれた深海魚、じつは目がありました2017.06.06 14:058,981 Rina Fukazu 顔のパーツは見当たらないのに、この見た目のインパクトは圧倒的。 トップ画像は、今年5月にオーストラリアのジャービス湾で発見された深海魚。オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究者たちによって捕獲された、通称「顔のない魚」です。ただし、顔も名前もない...というわけではありません。 CSIRO研究者であるDiane Bray氏の先日のブログ投稿によると、ミステリアスなこの魚の正体は、水深4千〜5千メートル域に生息する深海魚の一種「Typhlonus nasus」であることが明らかになりました。ウナギに似た海水魚カスクイールの一種だとされていますが、Business Insiderによると腹ビレがあることからウナギの一種ではないようです。 Fishes of A
深海とは、人間が生きる場所から最も遠い場所。冷たく暗い何千メートルもの海の深淵に住まう、悪魔のようなタコ、イカ、ウナギ、アンコウ、サメたち。あれ、美味しそうじゃない?と思ったあなた、その姿と生態を見ても同じように思いますか?(関連記事:エイリアンのような深海魚ばかりツイートする、地獄の漁師が現る!) 10)ミツクリザメ 学名:ミツクリザメ 生息地:Florida Museum of Natural Historyによればオーストラリアのミシシッピ川沿岸に見られ、深さ約1,300mまで生息することができます。日本でも東京湾、駿河湾、相模湾の深海で見られます。 生態:この顎、この歯。ミツクリザメは明らかに捕食者ですが、それ以外の生態系についてはあまり知られていません。サウサンプトン大学の深海鮫生態学博士課程のクリスチャン・バード氏は、「あまり生態が知られていない種です。世界中で、まれに発見され
ロシア最北端にあるムルマンスクの港から、トロール漁船に乗って漁業をしているローマン・フェドルソフ(Roman Fedortsov)さんは、ツイッター上でトロール網にかかった奇妙な生き物たちを公開中だ。 深海魚から謎のクリーチャーまで、とにかくこの世の生き物とは思えないレベルの魅惑の生き物たちばかりなんだ。地球上の9割の生物はまだ発見されていないといわれているけれど、深海にうようよいそうだ。
【動画】一度は乱獲で絶滅寸前に追いやられたイタヤラ。今では数が回復し、その存在を邪魔者扱いする人もいる(解説は英語です)。 米国フロリダ・キーズ沖の温暖な海のどこかを、「シルビア」と名付けられた大魚が泳ぎ回っている。希少なハタ科の魚イタヤラの1匹で、体長は180センチほどで、ゴールデンレトリバーのように人懐こい。 シルビアは2014年、ファビエン・クストー氏が海底に設置された海中研究室「アクエリアス」で探査に携わっていたとき、もう1匹の仲間と一緒にたびたび姿を見せていたという。著名な海洋科学者シルビア・アール氏にちなんでクストー氏が名づけた。(参考記事:「海を守る“深海の女王”シルビア・アール」) シルビアよりもさらに体の大きなもう1匹には、クストー氏の祖父ジャック・クストー氏の頭文字を取って「JYC」と名づけた。(参考記事:「アクアラングを発明したジャック・イブ・クストーを支援」) 「ほ
ハワイのリーワード諸島でプラスチックごみを食べるクロアシアホウドリ。(PHOTOGRAPH BY FRANS LANTING, NATIONAL GEOGRAPHIC) 世界の海がプラスチックごみだらけになるにつれ、多くの海洋動物が驚くほど大量のプラスチックごみを食べていることが分かってきた。しかし、動物プランクトンからクジラまで、大小さまざまな動物がなぜプラスチックを餌と間違えてしまうのかはあまり調べられてこなかった。(参考記事:「座礁したクジラの胃から自動車部品」) 今回、新たな研究により、その謎の一端が明らかになった。プラスチックごみは餌のような匂いがするというのだ。(参考記事:「海はゴミ箱? 母なる海に迫る危機」) 多くの海鳥は、オキアミという小型の甲殻類を主な食料にしている。そのオキアミは藻類を食べるのだが、藻類が海中で自然に分解するときに、硫黄臭を放つジメチルスルフィドという物
別の調査のため、タグ(標識)を打たれてからリリースされたニシオンデンザメ(Somniosus microcephalus)。グリーンランドのウマナック・フィヨルドで撮影。(photograph by Julius Nielsen) 北大西洋に生息する大型のサメ、ニシオンデンザメが400年近く生きることがわかり、デンマーク、コペンハーゲン大学の博士研究員であるユリウス・ニールセン氏らが科学誌「サイエンス」に発表した。 ニシオンデンザメ(Somniosus microcephalus)は体長5~6メートルにも成長する一方で、1年に成長するのは約1センチと遅い。そのため長寿であると推測されていたが、軟骨しかもたないサメには石灰化する骨などの組織がないため、従来の方法では簡単に分析できず、その年齢や寿命は謎に包まれていた。(参考記事:「【動画】超貴重!巨大深海ザメの撮影に成功」) 今回、ニールセン
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