アメリカ先住民スタンディングロック・スー族の居留地内に設営された、広大な雪原に佇むキャンプサイト。多くのティーピーやテントがつくられ、立ち並ぶ数百種の国旗が、氷点下の風にたなびいている。大陸中から集まった人々が民族の壁を超え、そこで共に暮らしているのだ。これは「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設に対する抗議運動。トランプ氏が1月24日に出した大統領令を受け、いよいよ建設は完成へと動き出した。しかし国際的ムーヴメントとなった抗議運動は、さらに勢いを増している。一体何が起きているのか。 ◆「ダコタ・アクセス・パイプライン」と抗議運動 「ダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)」は、アメリカ合衆国ノースダコタ州からイリノイ州までをつなぐ、石油パイプラインの建設計画。事業主エナジー・トランスファー・パートナーズによると、全長約1886kmにわたる同計画は、地域への経済効果と雇用の増加を創出す