経営再建中のシャープが7月から募集する3500人規模の希望退職に熱視線が注がれている。国内外のメーカーが即戦力となる優秀な技術者を求めて中途採用の準備を本格化し、シャープの工場や研究拠点が集積する奈良県は地元の再就職先を紹介する事業に乗り出す。一方、シャープにとっては再建の鍵を握る優秀な人材をいかにつなぎ留めるかが課題となる。(織田淳嗣) ◆積極採用 生活用品大手のアイリスオーヤマ(仙台市)はシャープの希望退職募集の発表後、平成27年度の中途採用枠45人をさらに増やすことを急遽(きゅうきょ)決めた。近く大阪市内で、退職を希望するシャープ社員を対象とした採用説明会を開く。 アイリスオーヤマは21年に家電事業に本格参入。25年にはパナソニックやシャープを辞めた技術者を積極採用するため、家電開発拠点「大阪R&Dセンター」を大阪市に開設した。この拠点には技術者約30人が在籍するが、28年末ま