【NQNロンドン=菊池亜矢】2日のフランクフルト株式市場でドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに大幅に反発した。前日に比べ420.04ポイント(3.33%)高の1万3050.27で終えた。ロシアからの天然ガス供給の停止
崩れ始めた砂上の楼閣 ドイツがめちゃくちゃになってきた。 対ロシア制裁は、ロシアではなく、ドイツ国民の生活を瓦解させ、ドイツの繁栄を解体しつつある。しかし、その一方で、エネルギー・コンツェルンのいくつかは、まさにエネルギーの高騰により、これまで経験したこともないような大利益を上げている。 そんな中、国民の間には主に緑の党の政治家によって、「皆で歯を食いしばって頑張ろう」的な雰囲気が作り上げられている。「プーチン大統領の横暴を許してはいけない。今、我々を襲っている苦難は、民主主義を守るための犠牲であり、我々は決して屈しない」というのが、彼らの発するアピールだ。 こうなると、政府に抗議の声を上げるのは連帯を崩す良からぬこととなり、国民は、当然の権利である意見の表明や集会はもちろん、民主主義の要である議論を立ち上げることすら躊躇せざるを得なくなる。ただ、この連帯、この躊躇がいつまで続くか? 昨年
【NQNロンドン=菊池亜矢】22日のフランクフルト株式市場でドイツ株価指数(DAX)は大幅続落した。前週末に比べ313.95ポイント(2.32%)安の1万
エネルギー逼迫と不景気に耐えかねて、ドイツ政府が「対ロシア制裁」を外す可能性 方向転換のきっかけは意外と早く訪れる ドイツ新政府の7ヵ月 12月に発足したドイツのSPD(社会民主党)政権だが、この7ヵ月間、これといった成果はあまり思いつかない。 まずは、7月に国会を通った、性別変更を簡易化する法律。これにより、14歳以上であれば、自分が男と思えば男、女と思えば女に、随時、性別を変えられるようになった。ただし、18歳未満の場合は保護者の同意が必要で、保護者が同意しない場合は、本人の意見を尊重しつつ、裁判所が決める。なお、性別は何度でも変えられるらしい。 これまでの法律では、性別は体の形状で決めていたために時代遅れで、しかも、変更の手続きの際にいろいろな質問があり「屈辱的」だったそうだ。つまり、同法の制定は差別をなくすと言う意味で、現政権の大きな成果とされている。ただ、一般の国民もこれを大きな
View of the Nordstream gas pipeline terminal. Source: AFP ロシアが天然ガスの供給を恒久的に停止する場合、ドイツは厳格な債務制限を順守する計画を棚上げする見通しだ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。ドイツは一時停止していた債務上限規定を来年復活させる方針を示してきた。 リントナー財務相は財政赤字を増やせば歴史的な高水準にあるインフレをさらに助長しかねないとして、ドイツとユーロ圏他国は2023年から公的債務を圧縮する必要があると主張していた。だが、政府内で優勢な見解は変化しつつある可能性がある。 匿名を条件に語った関係者によると、同国連立政権の閣僚の間では、ロシアが予定するメンテナンス作業を理由に主要ガス供給パイプライン「ノルドストリーム1」の稼働を長期にわたり停止するような緊急事態に陥る場合、ドイツは従来の財政計画を維持できない
【NQNロンドン=菊池亜矢】7日のフランクフルト株式市場でドイツ株価指数(DAX)は大幅に続伸した。前日に比べ248.70ポイント(1.97%)高の1万2843.22で終えた。中
ロシアからガスを絞られて、焦ったドイツ「石炭火力を2024年までフル稼働」の衝撃 CO2は「毒ガス」ではなかったのか? いったいなぜ、こんなことに!? 昨年9月の総選挙前、緑の党から首相候補として出馬していたアンナレーナ・ベアボック氏は、気候危機はまさに今、進行中で、「それについて話し合っている暇などない」。手遅れにならないうちにその進行を本当に止められるのはどの党か、「それを決めるのがあなた方の一票です!」と強調していた。 そして、12月に誕生した新政権では、躍進した緑の党は連立政党として与党入り。しかも、ベアボック氏が外務大臣、同じく緑の党のロベルト・ハーベック氏が経済・気候保護大臣という豪華キャストを勝ち取った。今ではショルツ首相よりも、この二人の人気が格段に高い。 6月19日、そのハーベック氏が、石炭火力のカムバックを宣言した。これぞまさにエネルギー逆転換。これまでCO2を毒ガス並
欧州への天然ガス供給を削減するロシアの動きはエネルギー市場を崩壊させる恐れがあるとして、ドイツが金融危機につながった米リーマン・ブラザーズ破綻を例に挙げて危機感を示した。 ハーベック経済相は23日、エネルギー供給企業は高い代金を支払って供給分を確保せざるを得えず、損失が膨らんでいると指摘。この影響が各地域の公益事業者やその顧客である企業や消費者などに波及するリスクがあると述べた。ドイツは同日、国内のガス供給リスクの水準を上から2番目の「警報」に引き上げた。 ハーベック氏はベルリンで行われた緊急会見で、「この損失があまりに大きくなり、エネルギー供給企業がそれを抱え込むことができなくなれば、市場全体がどこかの時点で崩壊する恐れがある」と語り、「つまりエネルギーシステムにおけるリーマン危機だ」と続けた。
【パリ=三井美奈】ドイツがウクライナに供与を約束した大型兵器が現地に届いていないとして、ウクライナ側が強い不満を示している。 ウクライナのメルニク駐独大使は10日、民放ラジオのインタビューで、ドイツからの軍事支援について、「ミサイル発射装置、榴弾砲、歩兵戦闘車や戦車といった大型兵器は、ウクライナ側に全く引き渡されていない」と述べた。現地に届いたのは、携帯式の防空ミサイルや地雷、機関銃などだけだと明かし、「ドイツでは政治家の発言と、実際の行動には大きな格差がある」と批判した。 ドイツは4月末、ウクライナへの軍事支援としてゲパルト自走砲50台の供与を決定。その後、自走榴弾砲「パンツァーハウビッツェ2000」7台の供与も発表した。しかし、独紙ウェルトは、5月末までにドイツからウクライナに武器が届いたのは2度で、いずれも対戦車地雷などの小型兵器だったと報じており、引き渡しの遅れがドイツ国内でも問題
欧州中央銀行(ECB)による利上げ開始の予告を受け、9日の欧州債券市場では域内の国債利回りが急伸した。指標となるドイツの10年債利回りは8年ぶりに1.4%台へ上昇(価格は下落)した。高インフレが長期化するとの懸念が強まるなか、金利の域内格差拡大という難題も抱える。ユーロ圏の国債利回りは利上げ加速の可能性を織り込んで跳ね上がった。金融情報会社リフィニティブによると、前日に1.35%程度で終えてい
【NQNロンドン=菊池亜矢】8日のフランクフルト株式市場でドイツ株価指数(DAX)は続落した。前日に比べ110.63ポイント(0.76%)安の1万4445.99で終えた。高インフレや
2022年3月17日、ドイツ・ベルリンのドイツ連邦議会で演説するウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(C)EPA=時事 経済の血液であるガスが人質となり、プーチン露大統領は「ものづくり大国・ドイツ」の生殺与奪の権を握っている。シュレーダー・メルケル両政権が政経分離で推進したエネルギー重商主義は、ほどなく「中国依存」というさらに死活的な問題にも直面する。 ドイツの対ロ政策の失敗を、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が端的に表現した言葉が、私の心に残っている。彼は3月17日にドイツ連邦議会の議員たちに向けてリモート演説を行った。日本の国会議員に向けたリモート演説とは異なり、ゼレンスキー大統領の言葉は鋭い批判に満ちていた。 「我々は戦争が勃発する前に、ロシアがウクライナへの侵攻を思いとどまるように、厳しい経済制裁措置を発動してほしいとあなた方に要請した。しかしあなた方はロシアとの貿易を
ドイツ政府は国内の風力タービン設置を容易にしたいと考えている。写真はベルリンの北東約64キロにあるアンガーミュンデ付近に建設中のもの。(PHOTO BY SEAN GALLUP, GETTY IMAGES) 2月24日未明、ロシア軍のウクライナ侵攻によって、ドイツは不愉快な現実に直面した。ロシアはドイツにとって最大のエネルギー供給国で、天然ガスと石炭の半分以上、原油の3分の1を供給している。対価として、ドイツはロシアに1日2億ドル以上を支払っている。この資金が現在、戦争の元手になっているのだ。 ドイツのベアボック外相は、2022年末までにロシアからの石油輸入を止め、天然ガスからもできるだけ早く手を引くと4月に公約した。短期的に見ると、化石燃料の代替供給国を見つけることになるのかもしれない。 しかし、長期的に見るなら、ドイツにとって今回の危機は、化石燃料から完全に脱却し、約30年前に始まった
追加制裁案、ハンガリーは猛反発 EUの欧州委員会(内閣に相当)は、5月4日、ロシアの財源を断つための一環として、次のような追加制裁案を出した。 「EUは6ヵ月以内にロシアからの原油の輸入をゼロにし、8ヵ月以内にそれ以外の石油製品の輸入もゼロにする」 つまり原油は今年の10月でストップ。ディーゼル燃料やガソリンなども年末でおしまいということになる。 代替を見つけることが困難なガスには、そんなに急には手をつけられないため、まずは原油のボイコットでロシアを困らせようということだろう。 ただ、ハンガリーとスロバキアは、ロシア依存度が非常に高いため、この2国に対しては原油、石油製品ともに、それぞれ1年ずつ期限を延長するとしている。
真っ二つに割れたドイツ与党 ロシアがウクライナに侵攻した3日後の2月27日、ショルツ首相は臨時国会で演説した。 「我々は時代の転換を迎えている。これは、それ以後の世界はそれ以前の世界とは同じものではなくなるという意味だ」 そして、これまで米国に何と言われようが、一度も本気で取り組んでこなかった国防費の大幅増額を悲壮な表情で公表したものだから、その過激な変身にドイツ国民はもちろん、世界中が驚いた。 ドイツ連邦軍のポンコツぶりは相当なもので、それは10年も前から指摘されていたが、改善は16年のメルケル政権の間、巧みに回避され、多くの国民が、軍事費の増額など税金の無駄使いだと思うに至った。数年前、ヘリコプターが足りず、軍事演習にADAC(日本でいうJAF)の救急ヘリを借りたというのは本当の話だ。憲法9条がなくても平和ボケにはちゃんとなれる。 しかも、その平和主義の先頭に立っていたのが社民党だった
ドイツがロシア産エネルギーの供給を直ちに打ち切った場合、今後2年間で2200億ユーロ(約30兆円)の打撃が生じる恐れがある。これは年間の国内総生産(GDP)の約6.5%に相当する。 ドイツの5大経済研究所は13日発表したリポートで、ロシアからの天然ガス輸入を完全に止めるなら「深刻なリセッション(景気後退)」に陥ると警告した。 リポートでは「軍事的・政治的な状況が再び落ち着くとしても、ロシアの原材料供給から自立する決定が引き続き妥当である可能性が高い」と指摘。「つまり、エネルギー供給およびエネルギー集約型の産業は変化を迫られるということだ」と分析した。 供給を打ち切ることがないとしても、ドイツの経済成長率は今年が2.7%、来年が3.1%になると予想。従来はそれぞれ4.8%、1.9%と見込んでいた。今年のインフレ率は平均で6.1%と、40年ぶりの高水準に達するとみている。
ドイツの景気回復に対する信頼感は4月も低下した。ウクライナでの戦争の影響で急騰する物価が生産を損ねるとの懸念が広がっている。 ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が12日発表した期待指数は4月にマイナス41と、前月のマイナス39.3から低下した。現状指数も悪化した。 4月のドイツZEW調査:景況感指数(表) ZEWのバンバッハ所長は発表資料で、「専門家は現在の経済状況に悲観的で、悪化が続くと見込んでいる」と述べ、「インフレ期待の低下はある程度の希望を与えるものの、今後6カ月間のスタグフレーション観測は依然として残っている」と指摘した。 製造業が強いドイツ経済は、すでに回復のブレーキとなっていたサプライチェーンの目詰まりに加えて、戦争によるエネルギー価格の高騰で相当の障害に直面している。ロシアのウクライナ侵攻後最初の丸1カ月となった3月のインフレ率は前年同月比7.6%上昇と、東西ドイツ統一
4月4日、ドイツ銀行協会(BdB)は、ロシアからのガス・石油供給が止まればドイツ経済は深刻なリセッション(景気後退)に陥ると警告した。写真はBdBのゼービング会長。2020年1月、フランクフルトで撮影(2022年 ロイター/Ralph Orlowski) [フランクフルト 4日 ロイター] - ドイツ銀行協会(BdB)は4日、ロシアからのガス・石油供給が止まればドイツ経済は深刻なリセッション(景気後退)に陥ると警告した。 BdBのゼービング会長(ドイツ銀行最高経営責任者)は、ロシアのウクライナ侵攻の影響で今年の成長率予想が2%程度に減速するとの見通しを示し、「ロシアから石油や天然ガスの輸入や供給が止まれば状況はさらに悪化。ドイツの深刻なリセッションは事実上不可避となる。そうなると、政府の企業や業界向け支援措置が一段と喫緊の課題となる」と記者団に語った。
EUはまさに戦時モード 3月9日、EUの欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長が、ウラジーミル・プーチンとの戦いに参加せよと言わんばかりに、朝のニュース番組で国民に向かって、次のような内容の檄を飛ばした。 「私たちは全員、エネルギーを節約するという行為により、ロシアのガス、いや、全ての化石燃料への依存から自由になるために頑張ろう! 誰もが、居ながらにして、それに貢献できるのだ」 ビックリである。まさに戦時モードではないか。 ロシアがウクライナに侵攻して、2週間が過ぎた。そして、悲惨な戦争の副作用として、今や世界を不安に陥れているのが、深刻なエネルギーの逼迫とインフレだ。 エネルギーの輸出大国であるロシアを追い詰めるには、エネルギーの禁輸という手を使えば一番効果的であるが、現実はそう簡単にはいかない。それどころか、EUが今、知恵を絞って取り組んでいるのは、いかにして制裁からエネルギーを外し
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く