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ブックマーク / kamiyakenkyujo.hatenablog.com (10)

  • 及川琢英『関東軍——満洲支配への独走と崩壊』 - 紙屋研究所

    そうだなあ、高校の教科書程度しか知識のない人間=ぼくが読んだのだが、読みやすいとはなかなか言えないであった。 関東軍――満洲支配への独走と崩壊 (中公新書 2754) 作者:及川 琢英 中央公論新社 Amazon その原因は、人名や役職名、組織名などが多く、それらが織りなす個別事実がたくさん書かれていて、素人には「で、それは一体どういう意味を持つのですか?」と言いたくなってしまうのである。学者からすれば、それらは軽々に規定できるものではないのかもしれない。だから、個別事実を「豊富に」並べることで読者が感じ取るように作られている気がした。 また、ぼくにとって馴染みのある「軍閥」という言葉(概念)は出てこない。最近の歴史学の動向など全然知らないのであるが、どうして使わないのか、説明はない(他方で「馬賊」「巡防隊」などはごく簡単な説明がある)。 張作霖らをリーダーとする「奉天派」というのは、こ

    及川琢英『関東軍——満洲支配への独走と崩壊』 - 紙屋研究所
    takeishi
    takeishi 2023/06/15
  • マンガの表現について共産党は2022年参院選でどういう政策を打ち出したか - 紙屋研究所

    2021年の総選挙で共産党のマンガ・アニメの表現に関する政策が話題になった。 その際に、ぼくも記事を書いた。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com ぼくは「カジを切っていない」とは結論づけた。しかし叙述が乱暴すぎる、と批判した。 この記事を書いた他に、共産党の中央に意見も出した。 総選挙が終わってしばらくしてから、共産党のある街頭演説をぼんやり聞いていたとき、演説を終えた、にひ そうへい元参議院議員がぼくのところにやってきて、「紙屋さん、あなたの意見を読みましたよ! 中央の担当部署でも共有しています」と笑顔で話しかけられた。演説後の非常に短時間ではあったが、「ぜひ今度話しましょう!」と、にひ元議員から言われた「あ、読まれてるんだ」と思った。 さらに、田村智子政策委員長が講師を務めるジェンダー問題の学習会があり、質問・意見を募集していたので、遠慮なく書いて出した。 上記

    マンガの表現について共産党は2022年参院選でどういう政策を打ち出したか - 紙屋研究所
  • 加藤聖文「日本にとって満洲支配とは何だったのか」 - 紙屋研究所

    「前衛」2021年10月号に載った加藤聖文へのインタビュー「日にとって満洲*1支配とは何だったのか」が実に分かりやすかった。 前衛 2021年 10 月号 [雑誌] 日共産党中央委員会 Amazon ぼくは、満洲に日から次々移民が送り出されたことは知っていたが、その理由は、「国内の農民が貧しく、それを反動的に打開するために満洲へ送り出し、開拓はもとより現地人の土地を奪った」ほどの理解であった。そして、「満洲は日帝国主義による朝鮮支配の後の、中国侵略のための第一歩である」というくらいの解像度の認識であった。 満洲支配が持っていた矛盾 加藤は、満洲支配がもともと持っていた矛盾を、おおむね次のように説明している。 ――そもそも日人が昔からいた土地でもなく、縁も薄いのに、日露戦争でさまざまな利権をロシアから奪い取ってしまい、経済活動が始まった。 日にとって、必然性のないところを取ってし

    加藤聖文「日本にとって満洲支配とは何だったのか」 - 紙屋研究所
    takeishi
    takeishi 2021/09/12
  • 「交通事故負傷者は実際には減ってない」問題が国会で質問 - 紙屋研究所

    交通事故負傷者は実際には減ってないのではないか、という「しんぶん赤旗」の記事を読んでその感想を書いた。*1 kamiyakenkyujo.hatenablog.com その後、共産党の塩川鉄也衆院議員がこの問題を国会で取り上げて質問した(6月4日、衆院内閣委員会)。今日の「しんぶん赤旗」にはその反響を書いた記事が載っていた。 そして塩川議員のホームページにはその質問をまとめた記事が載っていた。 www.shiokawa-tetsuya.jp (2021年6月4日 衆議院内閣委員会 日共産党 塩川鉄也 配布資料) 前回記事で青野渉弁護士のコメントを紹介したが、「横ばい」と「半減」ほどに違う。「実数が違うだけで、基的には同じ傾向」ではないのである。これは統計の意味を無効化し、それを基礎にした国策を誤らせる。 乖離が生じているのはなぜかと質問。 警察庁高木勇人交通局長は「自賠責保険では、人身

    「交通事故負傷者は実際には減ってない」問題が国会で質問 - 紙屋研究所
  • ぼくのかんがえたさいきょうのてんのうせい - 紙屋研究所

    国憲法第1条は 天皇は、日国の象徴であり日国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日国民の総意に基く。 っていう具合に「日国民の総意に基く」わけだから、天皇という制度自体はそもそも基的人権や平和主義のように「永遠に」動かせない原則じゃなくて、国民の意思で憲法を変えて制度をなくしたり根的に変更したりすることもできる。 だけど、憲法を変えず、今の憲法の範囲内でも、「日国民の総意に基」いて、天皇のあり方をもっと自由にデザインできるし、してもいいんじゃねーか。 めざすところは、 天皇個人・皇室のメンバーをもう少し自由に生きさせてあげたい。人としての尊厳=人権を保障するというか。 明治憲法を引きずるような神的性格・権威的性格を削って、実権のない、しかし親しみと実感のわくシンボルとしての役目=「1日駅長」「〇〇県ぶどう大使」くらいのゆるさにしたい。 政治家が政治利用をできない

    takeishi
    takeishi 2019/10/23
    マスコミが一切報道やめるだけで、国民の意識からは消えて「江戸城に住んでいて国会の開会とかに立ち会う人」レベルになってしまうのでは/個人的には法律の条文に現実の方を合わせようとするのは人間疎外を感じる
  • 『まんが朝鮮の歴史』『韓国の小学校歴史教科書』 - 紙屋研究所

    日韓関係がアレだというのに、韓国(朝鮮半島)の歴史のこと、なんも知らんなあ……と気づいた。 少し勉強を、と思ったものの、知らない地名や人物が次々出てくるともういけない。 こういうときは、自分が日史でそうだったように、学習マンガでまず「物語&イメージ」を頭の中につくるといいかもね! と思い立つ。俺が日史に興味を持ったのはカゴ直利の集英社版だった。 いや、ぼくにとって「歴史を学ぶきっかけどころ」か、ぼくの頭の中の日史知識はほとんどこの水準から更新されて無え…。 物事を知ろうと思う時に子ども向けのを活用するのは当にいいよ。前にぼくもそう書いたことあるけど、最近読んでいた、ちゃくま『もっと簡単に暮らせ』(大和書房)でも(もっと詳しく)似たようなことを言っていた。 ……検索を使わずに短時間で概要を把握する方法が必要になります。それは子供向けのを調べることです。……子供向けのは、要点がわ

    『まんが朝鮮の歴史』『韓国の小学校歴史教科書』 - 紙屋研究所
    takeishi
    takeishi 2019/10/03
  • 『シン・ゴジラ』を観てきた - 紙屋研究所

    以下、ネタバレあり。 『シン・ゴジラ』を一家でみる。 一言で言って、娯楽作品として大いに楽しんだ。 ゴジラが津波と原発を想起させる存在だと思いながらも、ゴジラによるドハデな破壊、ゴジラの制御不能ぶりに右往左往しつつアタックを繰り返す様子を、ワクワクしながら観たのである。ハリウッドのアクションを観る感覚に近い。 特に第4形態への変態を遂げたゴジラが巨神兵よろしく街を滅ぼし尽くすエネルギーを四方八方に放射し続けるシーンは、「ドキドキしてスカッとした」(小並感)。一瞬「あ、だいたいおさまったかな…?」的に安心しかけたところにゴジラのこの異例の攻撃。街が壊されまくるのに何もできない。「手の施しようがない」という感覚がぼくの中に起こり、(娯楽的な意味で)戦慄が走った。 唐突に白状するが、ぼくはテレビシリーズの『新世紀エヴァンゲリオン』の中で第拾話「マグマダイバー」と 第拾参話「使徒、侵入」が圧倒的に

    『シン・ゴジラ』を観てきた - 紙屋研究所
  • 尾田栄一郎『ONE PIECE』 - 紙屋研究所

    『ONE PIECE』は言うまでもなく最も売れているマンガである。まわりに「何のマンガが好き?」と聞いてもたいていのやつは『ONE PIECE』と答える。 そもそもぼくは『ONE PIECE』と相性がよくない。人気マンガというので数年前に読み始めたのだが、途中で挫折した。はっきり言って全然面白くないからである。「それでもまあ人気マンガだから」と今回再度がんばったのだが、27巻でくじけた。 少年マンガの感性についていけなくなっただけか 少年マンガだからお前の感性がついてけなくなったのだろう、とお前ら言うつもりだろう。まあ半分くらいはそうなんだろうよ。でもなあ、『NARUTO』や『銀魂』はそれなりに楽しく読めるんだよ。『バクマン。』や『いぬまるだしっ』はかなり愉快に読める。なのに、『ONE PIECE』は……ちっとも面白くならないのである。ぼくにとって。 「50巻くらいまで読まんと真価はわから

    尾田栄一郎『ONE PIECE』 - 紙屋研究所
    takeishi
    takeishi 2016/06/27
    2010/06/29
  • 映画「風立ちぬ」を批判する - 紙屋研究所

    宮崎駿監督の『風立ちぬ』を観た。お盆で帰省し、子どもを見てもらっている間に夫婦で。 ちょっと長くなると思うので、最初に結論書いておこうか。 恋愛要素は男目線で気持ちがノッた。 飛行機にかける夢についてはロジックがまったく詰め切れられておらず、面白くなかった。 零戦をつくった責任について無邪気すぎるという点が最大の批判点。 えーっとネタバレもありますから、読む人は承知して読んでほしい。 あらすじを知らない人はここを読まないだろうけど、一応。零戦(零式戦闘機)の設計者として有名な堀越二郎という実在の人物の半生を描き、それに堀辰雄の小説『風立ちぬ』のラブストーリーをまじえ、菜穂子という少女との恋愛をからめて虚構化した作品。 ジブリの公式のあらすじ解説はこちら。 http://kazetachinu.jp/story.html 恋愛要素は男目線で気持ちがノッた 菜穂子との恋愛は、(;゚∀゚)=3ム

    映画「風立ちぬ」を批判する - 紙屋研究所
    takeishi
    takeishi 2013/08/18
    戦争を肯定こそしていないが「反戦」映画では無いからなー/紅の豚にこういう批判が無かったのはフィクション度合いの差なんだろうか
  • 再び、尾田栄一郎『ONE PIECE』 - 紙屋研究所

    『ONE PIECE』について書いたらSBMやコメントがどっときた。こ、これが炎上というやつですか。お前ら、ホント『ONE PIECE』好きなのなw このブログのコメントもSBMのコメントも、あとツイッターでのコメントもいろいろ見させてもらった。まあ、もうあんまし何度もエントリを重ねるつもりはないけど、もう1回だけ考えたことを書いておこうか。 「バトルマンガ」である以上、バトルをなぜスポーツとして描ききらないかという疑問 もともとぼくが海賊冒険のマンガ『ONE PIECE』に違和感をもったのは、このマンガの主要な側面を「戦闘(バトル)マンガ」だととらえたからだ。バトルとは勝敗という形での優劣の決定だから、質的にスポーツであり、スポーツである以上、勝つための努力があり、そうであれば科学的な努力というものが見せられて然るべきだという気持ちがぼくにはあったのだ。 言うまでもなくスポーツマンガと

    再び、尾田栄一郎『ONE PIECE』 - 紙屋研究所
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