出版社ミシマ社の関連会社「一冊」が手がける書籍のウェブ受発注システム「一冊!取引所」が盛況だ。このシステムを利用すると、出版社によっては1冊単位で書店が直接仕入れることができ、参加は100出版社・1000書店をそれぞれ超えた。主として大手取次会社と取引がない、あるいは少ない小規模書店が利用している。今年1月にはクレジットカード決済サービスも始め、年内に200出版社・1200書店の参加を目指す。
出版社ミシマ社の関連会社「一冊」が手がける書籍のウェブ受発注システム「一冊!取引所」が盛況だ。このシステムを利用すると、出版社によっては1冊単位で書店が直接仕入れることができ、参加は100出版社・1000書店をそれぞれ超えた。主として大手取次会社と取引がない、あるいは少ない小規模書店が利用している。今年1月にはクレジットカード決済サービスも始め、年内に200出版社・1200書店の参加を目指す。
ストレートエッジの三木です。 本日は自分が携わり、ちょうど一年前、2020年8月にサービスをクローズした『LINEノベル』について回顧したいと思います。 ■まえがき かなり長文ですので、小タイトルを見て興味のある部分だけを選んでお読みください。それ以外は読み飛ばし推奨です。 ■はじめに ~出版業界を取り巻く環境~ 僕は数年前から、ずっと新たな“出版のカタチ”とは何かを考えていました。 ここ20年にわたり、出版業界の全体の売り上げは減少の一途をたどっています。最盛期である1990年前半には2兆6千億円であった市場規模も、現在は1兆6千億円と四割の大幅減衰をしています。昨今は、一部コミックスの爆発的ヒットや巣篭もり需要などもあり、電子書籍売上は3900億円と伸長していますが、市場全体の減少を支えきれてはいません。 そこへ、昨年の新型コロナウィルス感染拡大と未曾有の災害が起き、出版業界はさらに窮
アマゾンでは、本の売れ筋ランキングの総合で一時は9位となり、日本文学部門などで1位を獲得。反響を受けて、同作は3万5000部の緊急重版が決定したという。 出版から30年以上が経過した日本文学の巨匠作品に、なにが起こったのだろうか? TikTokの紹介動画が580万回再生 きっかけは、1人のTikTokユーザーによる動画投稿だ。 TikTokで小説を紹介する動画を投稿している「けんご(@けんご 小説紹介)」さんは2020年から動画投稿を行っており、若い世代に人気のTikTokクリエイターだ。 『残像に口紅を』は、話が進むごとに文字が1つ消えていく実験的な小説。使用できる文字が減っていく世界で生きる、一人の小説家の姿を描いている。 けんごさんは7月27日、本著を簡潔にまとめた30秒の動画を公開した。
小説や写真集、雑誌、実用書からマンガまで、多くの電子書籍を配信するストア「ブックライブ」を運営するBookLiveは、2021年に10周年を迎えた。 社長の淡野正氏は、同社を立ち上げる以前、ガラケーの時代から電子書籍に携わり、中でもマンガの電子化に尽力してきた。淡野氏のキャリアとBookLiveのこれまでを振り返るとともに、紙書籍と匹敵するほどの存在感を持つまでに至った電子書籍のこれまでとこれからについて、話を聞いた。 「紙」をメインに扱う印刷会社時代に、電子書籍に注目したワケ ――淡野社長は、かつて凸版印刷にお勤めだったと聞いています。紙などの印刷を事業とする企業の中で、電子書籍に取り組み始めたきっかけは何だったのでしょうか。 淡野正社長(以下、淡野社長): 凸版印刷の中で、さまざまな事業を経験しましたが、最後にたどり着いたのがEビジネス事業部という部署でした。いわゆる企画部隊で、新しい
Publishing Innovation Summit 2020で日本経済新聞社 執行役員 編集局ニュースエディター 論説委員の山崎浩志氏は「日経新聞のデジタルファーストへの取り組み」と題した講演を行いました。 山崎氏は1876年に創刊し、145年になる日経新聞の歩みを振り返りながら、直近の10年間で今まで経験しなかったような巨大な変化、つまりデジタル化が一気に起きたと話しました。もともと経済の専門誌であり、株価や決算情報などデジタル的なコンテンツ処理に親和性があったとはいえ、日本の新聞社の中でも先陣を切ってデジタル化に舵を切りました。 2010年に創刊した「日経電子版」ですが、その裏には「今までと同じことをしていてはジリ貧だ」という強い危機感があったと山崎氏は語りました。デジタルファーストへの転換には「編集局は、蜂の巣をつついたような、全員が机からひっくり返るような葛藤があった」と振り
10月9日、ブロックチェーン技術を活用した新たな電子書籍の流通プラットフォーム構築において、アマゾン ウェブ サービス(AWS)の「Amazon Magaged Blockchain」(AMB)を正式に採用したと発表した。 AMBを正式に採用したのは、周辺サービスが充実し、より高い安全性とパフォーマンスを実現するプラットフォームであり、配信基盤もAWS上で実現可能なためだという。 同社は、デジタルコンテンツをブロックチェーン上で流通させる選択肢が一般的なものとなる将来を見据え、ブロックチェーンによるコンテンツのアセット(資産)化や新たなプロモーション・販売の社会実装に挑戦していく。 同社開発のコンソーシアムチェーンは、トランザクション当たり平均流通単価を10円と仮定すると、年間約1兆7500億円の流通量をカバーでき、社会実装が十分可能なプラットフォームであるという。後日、詳細を発表するとし
昨日までこのアドベントカレンダーでは、PDFの内部の話から始めて、XMLという構造化文書の話、Pandocで記法を変換する話、EPUBで本というパッケージを作る話というように、徐々にレイヤを上げてきました。今日と明日はさらにレイヤを上げて、出版社の立場の話で締めくくろうと思います。 現在、日本の出版事業の中心は、「版元」「取次」「書店」という3者(いわゆる業界三者)が担っています。 メーカーと小売りの間に卸しがいるという構造は特別なものではありませんが、業界三者がちょっとだけ他と違うところがあるとしたら、書店と版元との柔軟な直接取引が少なく、取次-書店間、取次-版元間での委託取引が中心になっていることです。 この構造を支えているひとつの柱は再販価格維持制度による書籍の定価販売なんですが、この構造のおかげで、日本はかなり書店の数が多い国であり続けました。 2000年代初頭には全国で2万店くら
ネットフリックスが出版ビジネスへの参入を進めている。同社は6月、人気オリジナルドラマ「ストレンジャー・シングス」のライセンス契約をランダムハウスとダークホースコミックスの出版2社と締結した。前者からはヤングアダルト向けの一般書籍、後者からはコミックを出版するという。 自社コンテンツのフランチャイズ化を目指すネットフリックスにとって、小説やコミックは無視できないメディアだ。「ハリー・ポッター」シリーズから、「アイアンマン」や「アベンジャーズ」などのマーベル・シネマティック・ユニバース作品まで、近年大ヒットしたハリウッド映画は出版物が原作であることが多い。 メディアが多様化し、膨大な数の映画やドラマが作られている現在、製作者は新鮮なIP(知的財産)を発掘したり、生み出したりすることに必死だ。そしてそのIPのヒットの可能性を探る上で、出版物は便利な存在と言える。 小説やコミックは、映画やドラマに
「出版社との二人三脚、もう出来ない」 個人作家が生き残るには 漫画家・森田崇さんの場合(1/3 ページ) 「出版社には感謝しているが、出版業界が転換期にある今、信頼感のあるパートナーとして二人三脚することはもうできない」――「怪盗ルパン伝 アバンチュリエ」などの作品で知られる漫画家の森田崇さん(Twitter:@TAK_MORITA )が、6月8日に「高円寺パンディット」で開催された「頭の固い出版社は、生き残れない!? よりよい発信の時代を目指して」と題するトークイベントでこう語った。 森田さんは作家がKindleで電子書籍を直販できる「Kindle ダイレクト・パブリッシング」(KDP)での成功体験を基に、デジタル時代の作家の生き残り戦略や、出版社と作家の関係性について持論を述べた。KDPでは「最初の3カ月半で360万円稼げた」とし、「紙の時代では見たことがない数字」と振り返る。 講談社
日本出版販売と富士通が、書店の客層や売り場のコンセプトなどに合わせてAI(人工知能)が自動で本を選ぶサービス「SeleBoo」(セレブー)を共同開発したと発表。2018年夏から日販の取引書店向けに提供する。 日本出版販売(以下、日販)と富士通は5月14日、書店の客層や売り場のコンセプトなどに合わせてAI(人工知能)が自動で本を選ぶサービス「SeleBoo」(セレブー)を共同開発し、2018年夏から日販の取引書店向けに提供すると発表した。書店の店頭フェアやイベントでの活用を見込む。 SeleBooは「Select Book」の略。日販が持つ約350万点の書誌情報や全国約3000店の書店の販売実績情報に加え、Wikipediaから情報を抽出してオープンデータ(Linked Open Data)として公開する「DBpedia」、世界中で公開されているLinked Open Dataを検索できるサ
ほんをうえるプロジェクト 書店店頭×IT「マクルーハンの本棚」第3弾 書店×CV(コンピュータビジョン)の実証実験を開始 2018年2月 7日 ほんをうえるプロジェクト 書店店頭×IT「マクルーハンの本棚」第3弾 書店×CV(コンピュータビジョン)の実証実験を開始 ~本のピックアップ回数を集計~ 株式会社トーハンのほんをうえるプロジェクト(以下「ほんをうえる」)は、書店店頭にIoT(Internet of Things)、AI(人工知能)などの最新技術を導入して集客に繋げ、お客様と本との新たな出会いの場を創る新施策「マクルーハンの本棚」を展開しています。この度、同施策の第3弾として、CV(コンピュータビジョン)を店頭で活用する実験を、2月上旬より八重洲ブックセンター本店にて開始しました。この仕組みは、GMOクラウド株式会社(本社・東京都渋谷区、代表取締役社長 青山 満)との共同実証実験とな
出版大手の「KADOKAWA」は、所沢浄化センター跡地(埼玉県所沢市東所沢和田)に建設を予定している新社屋の施設の概要や完成予想図などを公表した。 東京都千代田区にある本社機能の約半分を移す方針で、1月31日に同センター跡地で記者会見した松原真樹社長は、本社所在地も所沢に移す可能性が高いことを明らかにした。 施設は、「ところざわサクラタウン」と名づけた約4万平方メートルのエリアに、地上6階、地下2階建て、建築面積約2万5000平方メートルの建物を建設する。印刷工場や物流倉庫、会社事務所、ホテルなどが入る棟と、図書館や美術館などの複合文化施設の棟が1階でつながる構造となっている。 複合文化施設にはアニメ専門の美術館や、約12万冊所蔵の図書館などが入り、有料での一般開放を予定している。開業は2020年夏の見込み。 松原社長は「旧来型オフィスではなく、出版製造の物流改革を実現したい」と語った。
アルドゥス(アルダス)・マヌティウスの小型本。マヌティウスは写本の精巧なコピーでしかなかったグーテンベルクの印刷本をハックして、細く小さな活字を使えば本を小型化できること、ページが毎回固定されていればページ番号が振れることに気づいて、現在の本の原型を作った。#世界を変えたハック — isana (@lizard_isana) September 25, 2017 Twitterで、面白そうなハッシュタグを見つけたので、こういうTweetをしたら、後日このTweetが『WIRED CREATIVE HACK AWARD 2017』の「ベストハックツイート」に選ばれたというご連絡をいただいた(ありがとうございます!)。でも、これがなぜ、どうやって世界を変えたのかについては、とても140字では書ききれない。せっかくなので、世界を変えた小さな本の話をしておこう。CREATIVE HACK AWAR
「印刷業=不況業種」との印象を持たれる方が多いかもしれません。もちろん市場規模自体は縮小し続けていますが、トップ2社の大日本印刷と凸版印刷に関しては、業績がそれほど悪化しているわけではなく、近年は横ばい、あるいは微増傾向です。一方、中小の印刷会社は、厳しい経営に迫られています。印刷会社のうち、従業員300人以下の中小企業が約99%を占めていることを考えますと、今は実質トップ2社の寡占状態となっているのです。なぜ、この2社は印刷不況でも業績を維持できているのでしょうか。最新の財務内容を分析しながら考えていきます。 出版不況とデジタル化で印刷市場は縮小が続く 印刷市場は、1990年代のバブル崩壊を境に拡大が止まり、1999年以降、縮小の一途を辿っています。ピークの1991年には8.9兆円の市場規模がありましたが、現在では6兆円を割り込む水準まで落ち込みました。 なぜ、ここまで落ち込んでしまった
ブログを紙の本にする欧文印刷の「オンラインパブリッシングサービス」が、今年も1万件を受注するペースで推移している。同社ではmixiなどブログサービス会社とリンクを貼って19社と連携。育児日記や旅行記、など世界に1冊しかない「自分だけの本」が数分でできる。「紙に残しておきたい」というユーザーの要望が数字になって表れてきている。 ユーザーは同サイトを通じて「著者名」「タイトル」「判型」「書式」「書体」などを入力。表紙は約100種類ある見本から選ぶか、オリジナルで製作することもできる。判型はB5判からポケット版のA7変型まで4種類。原稿に加筆したり、あとがきを加えることもできるなど自由度が高い。完成した原稿は、埼玉・坂戸市にある欧文印刷の工場で印刷・製本され、宅急便で自宅に届ける。 価格はB6判、カラー、100頁で3370円(税別)、モノクロは1420円と手頃だ。カバーや上製などはオプションで別
これは特殊な事件なのか、それとも多くの出版社でも起こっていることなのだろうか。 10月17日夕刻、チケット販売最大手にして出版も手掛ける「ぴあ」は、印刷部数を詐称し、著者に支払う印税をごまかしていたことを公表した。問題になった書籍は今年7月に発売された、アイドルグループももいろクローバーZのムック。出版契約上の著者はももクロの所属事務所であるスターダストプロモーションだ。 発売から約1カ月後、ぴあはスターダストと6万部で出版契約を締結。印税も6万部で計算して支払ったが、実際の印刷部数は10万部だった。 資金繰りが苦しい零細出版社が、印税を払わずトラブルになることはあっても、虚偽の印刷部数を伝えて印税をごまかす不正は発生しない、という常識が出版界にはあった。後述するように複数の社員、取引先がかかわっているためだ。ところがその常識をこともあろうに東証1部上場の会社が覆してしまった。 リリース2
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