シリアへの渡航を計画していた新潟市の男性フリーカメラマンが外務省から旅券の返納を命じられ、男性が命令に応じて提出していたことがわかった。邦人の生命保護を理由にした返納命令は初めて。同省は過激派組織「イスラム国」による人質事件を受け、シリア全域に退避勧告を出しているが、「渡航制限」という踏み込んだ対応は論議も呼びそうだ。 過激派組織「イスラム国」による邦人人質事件を受け、外務省や与党内では、邦人保護の観点から危険地域への渡航を制限する必要性を訴える意見が強まっていた。 「イスラム国」に殺害されたとみられるフリージャーナリストの後藤健二さんがシリアに渡航する前、外務省は9、10両月、電話と面談で計3回にわたり渡航中止を要請したが、受け入れられなかった経緯がある。このため、同省内では「あれだけ止めてだめなら、ほかの強い手立てが必要になる」(同省幹部)との声が出ていた。 自民党の二階俊博総務会長も