なぜ日本の半導体産業は凋落してしまったのか。半導体産業コンサルタントの湯之上隆さんは「『技術で勝って、ビジネスで負けた』と理解されることがあるが、それは間違っている。端的に技術で敗北したのだ」という――。(第1回) 【図表を見る】日本の半導体は40年前に高品質病に罹患した ※本稿は、湯之上隆『半導体有事』(文春新書)の一部を再編集したものです。 ■日本の半導体メモリは韓国企業に駆逐された 2021年6月1日午前9時、筆者は、衆議院の分館4階第18委員室の参考人席に着席していた。衆議院の「科学技術・イノベーション推進特別委員会」から、半導体の専門家として参考人招致を受け、「日本半導体産業の過去を振り返り、分析、反省し、その上で将来どうしたらいいか?」について、意見陳述を行うよう要請されたからだ。 筆者は20分強の意見陳述で、主として次の3点を論じた。 ---------- ①日本のDRAM産