市川児童相談所で働いていた飯島章太さん。「子どもたちと向き合うことができなかった」と悔しそうに振り返った=千葉県市川市で2022年8月23日、長沼辰哉撮影 児童相談所の職員だった若者が7月、残業代などの支払いを千葉県に求める訴訟を千葉地裁に起こした。金銭の問題よりも、サポートの必要な子どもたちを支えるはずの職場の実態を知ってほしいと考えての行動だという。自身が退職した直後には、児相を巡る衝撃的なデータが議会で報告された。「一人一人の子どもたちと向き合うことができなかった」。同じ無念を抱えた人は他にも多くいるかもしれない。そう感じ、男性は声を上げた。【長沼辰哉】 「向き合う時間なかった」 午前7時の起床から午後9時の消灯まで、親からの虐待などで児相に一時保護された子どもたちと過ごし、一人一人の様子を観察して記録にまとめる。 市川児童相談所(千葉県市川市)で、飯島章太さん(29)=埼玉県=はそ