スーパーコンピューター「京」と後継機「富岳」について語る、理研の松岡聡・計算科学研究センター長=神戸市中央区港島南町7 神戸・ポートアイランドのスーパーコンピューター「京(けい)」が役目を終え、30日に電源が落とされる。旧民主党政権時の事業仕分けで「2番じゃだめなのか」と追及され、計画凍結の危機にもさらされた京。その後、演算能力世界一になり、各分野で力を発揮してきた。後継機「富岳(ふがく)」の開発に携わる理化学研究所計算科学研究センター長の松岡聡さん(56)は、京の足跡に敬意を表しつつ「富岳(の演算速度)は世界2位でも全然かまわない」と話す。 松岡さんによると、京の残した最大の功績は、中央演算処理装置(CPU)をたくさん並べる「超並列」の手法で米国に遅れた10年を、一気に取り戻せたことだという。日本のスパコン開発は2000年代まで一つ一つのCPUを速くすることに重きを置いていたが、1990