熊沢英昭容疑者が長男を刺殺した自宅。事件当日は隣の小学校で運動会が行われており、音をめぐって長男と口論になっていた=東京都練馬区 東京都練馬区の自宅で元農林水産省事務次官の熊沢英昭容疑者(76)が長男(44)を刺殺した事件は、8日で発生から1週間。「引きこもりがちの長男から暴力を受けた」という熊沢容疑者は、警察や行政などに相談することなく凶行を決意した。中高年の引きこもりは高齢化した親も孤立する傾向にあり、対策は後手に回っている。支援団体は「家庭内で解決しようとせず、問題を相談できる居場所を作る必要がある」と指摘する。 「家の中にいるのも怖くなってしまった」。引きこもり家庭を支援する都内の家族会には事件後、40~50代の引きこもっている本人からの電話相談が毎日数件かかってくるようになった。家族会の担当者は「引きこもりを危険視するような空気が生まれ、唯一の居場所である自宅でも苦痛を感じてしま