システム開発業者のスキルはアテにならないので、彼らの実力を事前にオーディション(実技審査)すべきである。案件に関するわずかな手がかりを与えて、その場で設計・実装させてみる。ダンサーや俳優は「所属事務所の規模や知名度」ではなく、オーディションを通じて仕事を獲得する。開発業者の選定もそのようであるべきで、そうでないと彼らは自らのスキルを磨こうとしないだろう。なぜなら、彼らには的確にシステム設計すべき理由がないから。――そのように説明してきた。 当たり前のことなのだが、オーディションにおいては受注側だけでなく、発注側も値踏みされる。案件を通じてユーザ企業と開発業者が協働するというのは、幸福な結婚生活のようなものだ。他者(他社)と良好で安定した社会関係を築いていける相手を見極めなければいけない。そのために、ユーザ企業は業者を値踏みし、業者もユーザ企業を値踏みする。 ■業者に見放された会社 もう20