京都女子大学現代社会研究 5 ノートをとる学生は授業を理解しているのか? ― 〈大事なところは色を変えて板書してほしい=83%〉 を前にして― 筒 要 旨 本稿は、大学生の授業理解・ノートをとる行為・授業外の学習の 3 つが、どのように関係し ているかについて解明する。学生の多くが「知識の伝達─貯蔵モデル」への過剰適応によって大 学で学ぶことへの準備が不充分である。それゆえ、まず必要なのは「いかにノートをとるべき か」的な指南ではなく、 「大学での学びのレディネス」を高めさせることだ。ではどうすれば よいか。こうした問題意識に基づき、次の 4 つの知見を得た。第 1 に、大事なところが分から ないことが多い学生ほど、キーワードしか板書されない場合に自分で文章化したり、板書がな されない口頭のみの説明をノートしたりすることが少ない。第 2 に、大事なところが分からな いことが多いか否か