文化研究者・山田奨治の仕事(Blogは熟考中のことを書いているので、後で考えを変えることがあります。内容は個人的なもので、所属組織の立場、考え、意見等を表すものではありません。) 今日の委員会の結論は、違法化拡大に慎重で審議の継続を求める複数委員の意見が出たものの、スケジュール最優先の事務局が押し切り、報告書案を承認せず文言修正が主査預かりになったことはツイッターで述べたとおり。(ちなみに、違法ダウンロード拡大以外の部分は、パブコメ案に一部修正が入ったものの、異議なく承認された。) 方向性としては、ダウンロード違法化の拡大は行うものの、その条件については限定し(たとえば原作のまま、商業的規模など)、民事よりも刑事でさらに限定するといったことになりそうだ。 したがって、案の実態から「包括的ダウンロード刑事罰化」とわたしが勝手に呼んできたことを改めることにして、これからは「違法ダウンロード拡大
2017年2月10日 (2022年7月29日追記) 著作権ライブ音楽 「JASRAC音楽教室問題。 取材等で話したことをざっくりまとめてみる【追記あり】」 弁護士 福井健策 (骨董通り法律事務所 for the Arts) さて、この一週間JASRACの嵐がネット上で吹き荒れている。自分や事務所のメンバーもずいぶん色々な箇所でコメントを求められ、またつぶやいたり反響を頂いたりして来た。こうした「祭り」状態の常として一部で論点も拡散・錯綜して来たので、自分なりに一度短くまとめておこう。 念のため整理して置こう。現行法では、非営利の学校等での授業用の「複製」は無許可で可能(35条)。非営利で対価を取らない「演奏」も可能(38条)。今回の論点は、営利非営利を問わず教室での指導は、「公衆に聞かせるための演奏」(22条)ではないので元から著作権の対象ではないのでは、だ。 — 福井健策 FUKUI,
JASRACがヤマハ等が音楽教室に対しても著作権料の請求を求めたことが問題になっています(参考記事)。この件に関するネット上の議論を見るとJASRACが学校の授業での音楽の利用について著作権料の請求を求めたと勘違いしている人がいるように思えます。 たとえば、宇多田ヒカルさんはtwitter上で「もし学校の授業で私の曲を使いたいっていう先生や生徒がいたら、著作権料なんか気にしないで無料で使って欲しいな」とコメントされています。上記の参考記事に対するコメントになっているのですが、記事中は音楽教室と書いてあるのに「学校の授業」と言い換えているのが気になります。単なる書き間違いなのか両者の区別がついていないのかのいずれかでしょう。ひょっとすると(今回の話とは全然別に)将来的にもしJASRACが学校の授業に著作権料を要求したとするならばという意味で書いているのかもしれないですが、いずれにせよこのツイ
受験参考書などを出版する旺文社は5月16日、教育機関から提供された過去の入試問題に関して、保管方法と著作権処理に不備があったことを発表した。紙で保管していた入試問題をデジタルのPDFデータにする際、著作権者に許諾をもらっていなかったのだいう。同社は今後、すべてのPDFデータを削除し、保管方法を改めるという。 旺文社のホームページによると、同社は、教育機関などから提供された入試問題を利用して参考書や問題集を出版している。紙の書籍のほか電子書籍などに二次利用する際も権利処理したうえで適正に使っていたという。 入試問題の原本は、社内の倉庫に保管していた。経年劣化への対応と倉庫スペースの関係から、大量の入試問題を安定的に保存するために、PDFデータ化を順次おこなっていた。PDF化が終わった紙の原本は年度ごとにすべて破棄していた。 ところが、入試問題の原本を破棄してPDFデータとして保存する行為が「
リンクを貼るのは控えておく。 これを著作権権利者として通報しようとしたけれども、自分自身の住所氏名電話番号が必要で、相手方にお知らせされるように読めるから二の足を踏んでる所。 slideshare にアップされている皆様方に置かれましてはご自身のスライドがアップされていないか確認されると良いと思う。 ただし、視聴回数をカウントアップさせるのは歯がゆいので見たらあかん。 これ。↓自分でURLを完成されたし。 channel/UCylUAgmDtVKSZp5aDF4931w 追記1(12/6 23:15): 今もリアルタイムにガンガン動画をアップロードしている模様。今自分のが見つからなくてもそのうち自分のがアップされるかもしれないよ。 追記2(12/6 24:30): 大量アップロードされたものを、順次変換されたものが公開されているのでは、というふうに教えてもらった。なるほど。 追記3(12/
パクリの現状と今後の対応 パクりの定義については議論されているものもあるが、上記3つの事例では ▶ 佐野研二郎氏の作品 ⇒ パクリの疑い有り ▶ 同人誌作家 ⇒ パクりでは無い ▶ ヒトデ氏 ⇒ パクりでは無い という状態になっている。 法律上、著作権法違反は親告罪なので、権利者がパクられた作品に対して権利を主張しなければパクリではない。 佐野研二郎氏の作品はベルギーのデザイナーから訴えを起こされているのでパクリの疑いがかけられているが、同人誌やヒトデ氏のケースは権利者からのアクションがあるまではパクりとは認められない。 同人誌について 同人誌にかんしては、権利者に訴えられれば負ける可能性は高い。しかし、裁判を進める上では、法律以外に慣例も考慮される。長い同人誌の歴史を見れば、この慣例について多少の考慮はなされるだろう。 一度「同人誌」が著作権法違反と判例が出れば、社会的に影響も出てくるか
ちかごろ話題になっている、東京オリンピックロゴのパクリ/パクリでない騒動。 ネットでは盗作説を支持する人、支持しない人それぞれたくさんいて、双方それなりの主張があるようだけれど、そのなかでも「ロゴがダサいし、いっそのことベルギーのデザイナー側には訴訟でもして差し止めにしてほしい」って具合の、「いいぞもっとやれ」的な意見を見て、奇しくもこの騒動の影に隠れてしまっている、TPPによる著作権侵害の非親告罪化のことを思い出した。 というのも、以前ラジオで、TPPによる著作権侵害の非親告罪化の問題に詳しい、参議院議員の山田太郎さんと話したとき、著作権侵害が非親告罪になれば、いわゆる「告発マニア」による被害が多発する(またその被害を防ぎようがない)のではないか、という話になったのを覚えていたからだ。 ここでいう「告発マニア」とはようするに、自分の嫌いな創作者や作品を攻撃するネタとして「アイツのこの作品
TPP=環太平洋パートナーシップ協定を巡って、交渉参加12か国は、これまで難航していた映画や音楽などの著作権を保護する期間について、公開や作者の死後から原則70年とする方向で調整を進めることになりました。 TPP=環太平洋パートナーシップ協定を巡って、交渉参加12か国は日本時間の2日までの日程で、首席交渉官会合をアメリカで開きました。 今回の会合では、▽映画や音楽、小説などの著作権をはじめ、医薬品の開発データといった知的財産を保護する期間や、▽公平な競争条件の確保に向けた国有企業に対する優遇措置の是正など、交渉が難航している分野を中心に意見が交わされました。 その結果、著作権を保護する期間について、日本を含む各国がアメリカの主張に理解を示し、公開や作者の死後から原則70年とする方向で調整を進めることになりました。 一方、医薬品の開発データを保護する期間や国有企業に対する優遇措置の是正を巡っ
登録商標一覧?〜著作権等の知的財産権関連の質問とその回答(1)〜 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050324#1111595733 著作権等の知的財産権関連の質問とその回答(2) http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050406#1112753849 著作権等の知的財産権関連の質問とその回答(3) http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050410#1113141421 教育目的利用〜著作権等の知的財産権関連の質問とその回答(4)〜 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050411#1113154362 著作権侵害の慰謝料〜著作権等の知的財産権関連の質問とその回答(5)〜 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050414#111
PCゲームの女性キャラクターの下半身部分をPCで加工した上で無断販売していた男が摘発され、罰金刑を受けた。 コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)によると、PCゲームのキャラクターイラストを著作権者の許諾を得ずに販売目的で所持していたとして、著作権法違反(販売目的所持)容疑で自営業の男(40)が逮捕され、罰金刑を受けた。男はイラストを海賊版ポスターとして販売していたという。ソフ倫は「海賊版グッズを発見しても決して購入をしないで」と呼び掛けている。 発表によると、男は著作権者の許諾を得ずに、PCゲーム内の女性キャラクターの画像データを販売目的でPCに保存していたとして愛知県警が5月に逮捕し、名古屋地検が今月、略式起訴していた。男は女性キャラクターの下半身部分をPCで加工した上で販売していたという。告訴企業はフロントウイング。 ソフ倫によると、昨年11月に同社から海賊版ポスターについて相談
By Barbara Piancastelli 長編小説「緋色の研究」や短編小説の「シャーロック・ホームズの冒険」を始め、テレビシリーズや映画、アニメなど数々のフォーマットで広く親しまれているキャラクターといえば「名探偵」の誉れも高いシャーロック・ホームズで、著者のアーサー・コナン・ドイルが1930年に亡くなったいまでもシャーロキアン、またはホームジアンと呼ばれる熱狂的なファンがさまざまな研究を続けているほど。そんなホームズ作品は4つの長編と56の短編からなる60編の小説なのですが、その著作権の所在をめぐりアメリカで起こされていた訴訟で「ホームズの作品群は、いくつかの作品を除いてパブリックドメインに属するものである」という判断が下されました。 Sherlock is Free–At Long Last! | Leslie S. Klinger http://lesliesklinger.c
インターネット上の真のニュースは、煽りや文法的に不正確な醜さを抜きにすればコメント欄で発生する。電子化されたグーテンベルク聖書の画像を共有するポストは、本自体の歴史的意味に関する多くの背景情報だけでなく、言語と印刷の進化を目の当たりにする機会を読者に提供するものだった。 やりとりのほとんどは聖書そのもの、つまり、それが書かれた当時のスタイルと文法的慣例に関してであったが、今回、プロ品質の非侵襲的・非破壊的写真によって行われた電子化作業自体について深刻な懸念が寄せられた。あるユーザーの会話によると、それぞれのページにある写真の著作権により、Wikipediaを含むさまざまなWebサイトとの利用条件によりオンラインでは利用できないという。 huskyrによると「そのような素晴らしいインタラクティブな方法でこの出版物をオンライン化する取り組みを賞賛したが、ページ下部にクリエイティブ・コモンズのB
ちょっと前のやまもといちろう氏のYahoo!個人ニュース「今年は著作権にまつわる諸々が色々とこじれて表面化しそうな予感がします」で自分のツイートが引用されてるようです。文脈を明確にしてちゃんと論じた方が良い話題だと思うので、ここで繰り返し検討してみます。 知財法界の重鎮である田村善之北大教授の論稿「自炊代行業者と著作権侵害の成否」について触れたブログ「企業法務戦士の雑感」の記事「ついに世に出た“真打ち”的評釈」に関する私のツイートがやまもと氏に拾われたという流れです。 先に一般的な説明をしておくと、法律解釈とは単純に杓子定規に条文を当てはめるものではありません。こうあるべきという規範が解釈する人(典型的には裁判官)の頭の中にあって、それに適合するように条文を解釈していくのが通常のプロセスです。 ただし、条文と完全に矛盾する解釈を行なうことはできません。たとえば、「今の18歳は十分大人なので
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