本連載ではこれまで、日本が抱える様々な女子教育の課題に対して、女子向けの奨学金と慣習の壁を取り除くための対話という解決策を提示してきました。これらに共通するのは、教育の需要側に対する介入という点です。今回は、教育の供給側に対する介入策、すなわち女子教育の環境改善についてお話しようと思います。 女子教育の環境は、主にソフト面とハード面に分けることができます。前者には教育内容(科目・カリキュラム・教授法など)や教員などが、後者には学校建築などが該当します。教育内容と女子教育の関係は、かつて日本で「技術は男子、家庭科は女子」と科目がわけられていたことを思い出していただけると分かりやすいかもしれません。また、科目選択だけでなくカリキュラムにも改善されるべきものが存在しています。例えば現在私が関わっているプロジェクトだと、生理中の女子が男子にからかわれるために学校に来られなくなるという現象を改善する