長らく働く女性の受け皿となってきた事務職が危機にひんしている。人工知能(AI)などIT(情報技術)に取って代わられ、仕事が急速に失われている。このままでは失業リスクが高まる。なくなる業務から需要が高まる業務へ――。IT人材へのリスキリング(学び直し)を急ぐ女性が増えている。 大学や企業、ITリカレント講習で転身後押し「きれいに『T』が刺しゅうされていきますね」。飯山朋恵さん(33)は自動ミシンが手提げバッグに糸を縫うのを、熱心に見つめる。針と糸を操るのはミシンだが、どこにどう刺しゅうするか、そのプログラムは飯山さんがパソコンで組んだ。青山学院大が10月開講した女性のためのITリカレント講習「ADPISA-F」の一環だ。「プログラミングは生まれて初めて。想定通りの仕上がりに満足です」と話す。 8月まで商社に一般職として勤めていた。報告書の作成など事務サポートが主な役割だ。ただ、そうした定型的