自分にしか興味がなかった。 なかった、と過去形にしてカッコつけたけど、それは今でも変わらない。 自分は周りからどう思われているか、自分は今気持ちよく仕事しているか、自分はどうすればもっと良い人生を送ることができるか。 そればっかり考え続けている。 コピーライターの修行をしていたときに教わったのは、広告賞が欲しければ自分の世界を創れ、自分だけの視点を増やせ、ということだった。 これは自分が大好きなぼくとしてはすんなり受け入れられる教えで、はじめこそ自分の世界ってなんだろう、と思ったけれども、試行錯誤しているうちにだんだんわかってきた。 それはカッコいいことでもなんでもなく、自分の恥ずかしいところや嫉妬心や欲望を隠さずにさらけ出すことだった。 自分をさらけ出して企画をするようになってから、突然、賞ももらえるようになったし、クリエイティブディレクターに案を採用してもらえるようになった。 そのとき