今月24日に『新しい常用漢字と人名用漢字』が発売されます。三省堂ワードワイズ・ウェブでの3年3ヶ月に渡る連載が、ようやく書籍の形で結実することとなりました。でも、実際に書籍として執筆してみると、ウェブ連載では書かなかったアレやコレやのネタを盛り込みたくなってしまい、結局、第1章「常用漢字と人名用漢字の歴史」は完全に書き下ろしとなりました。出版記念と言っては何ですが、第1章の内容を要約したり、あるいはちょっと脱線してみたりしながら、人名用漢字の源流を、昭和26年まで追ってみたいと思います。 名のつけ方委員会と『標準名づけ読本』 昭和13年7月11日、国語協会が主催した第1回国語運動懇談会では、漢字制限に関する様々な議論がたたかわされました。中でも東京高等学校の宮田幸一は、子供の名づけに関して、以下のような提案をおこないました(『国語運動』昭和13年9月号671頁)。 私は国語協会が命名問題に