パソコン(PC)の遠隔操作事件で、ウイルスに改良を加えた痕跡があることが18日、解析したウイルス対策ソフト大手シマンテック(東京)への取材で分かった。同社は、改良後のウイルスは一部機能が強化されていることも確認。真犯人を名乗る人物は犯行声明で「ウイルスは既製の亜種ではなく、私が一から開発したものです」と説明しており、動作を確かめながら改良を重ねたとみられる。 シマンテックによると、同社は事件に使われたウイルス2つを入手。基本機能は同じだったが、プログラムを解析した結果、バージョン番号が片方は2・23、もう一方は2・35と異なっていた。バージョン番号は一般的に、改良・更新するたびに大きな数字が付される。情報セキュリティー会社ラック(東京)の西本逸郎専務理事は真犯人について「プログラマーとして経験を積んだ人物ではないか」と話している。