北方領土問題が大きく進展するかのように各メディアで報じられた日露首脳会談ですが、蓋を開けてみればまさに「ゼロ回答」という言葉以外見つからないようなロシア側の反応。なぜ安倍官邸をはじめ、日本サイドはここまでの見誤りを犯したのでしょうか。メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』の著者・新 恭さんが、日露双方の思惑や二国を取り巻く情勢を鑑みつつ詳細に分析しています。 北方領土が戻るという空騒ぎが終わった 安倍首相とプーチン大統領の湯煙外交ショーが終わり、北方領土については、大方の予想通りゼロ回答という結果になった。国家ぐるみのトップ親睦会だったのだと解釈するほかなさそうである。 自民党の二階幹事長が例のごとくモゴモゴと言った。「国民の皆さんの大半は、がっかりしているということは、われわれ含めて、心に刻んでおく必要があると思います」。これが正直なところだろう。 北方領土が日本に戻ってくるという期待感
カジノ反対59% 毎日新聞は17、18両日、全国世論調査を実施した。今回の日露首脳会談を受けて、北方領土問題が解決する前に北方領土で共同経済活動を行うことへの賛否を聞いたところ、「賛成」との回答が59%で、「反対」の25%を大きく上回った。今後の北方領土問題の進展に「期待する」は60%、「期待しない」は29%。安倍内閣の支持率は11月の前回調査から3ポイント増の51%、不支持率は1ポイント増の32%だった。 安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領は15、16両日の会談で、共同経済活動に関する協議開始で合意した。北方領土に進出する日本企業の課税方法やトラブル時の司法管轄権など課題は多いが、共同経済活動に踏み出すことはおおむね評価されているようだ。内閣支持層では「賛成」が72%を占め、不支持層でも「賛成」(46%)が「反対」(39%)より多かった。領土問題の進展に期待する層では共同経済活動に「賛
15日からスタートする日ロのトップ会談。プーチン大統領の日本到着が遅れることになり、山口県長門市や政府関係者はやきもきだが、実は会談が始まる前から「声をかけられないほど」(官邸事情通)、安倍首相は落ち込んでいるという。 来日直前、読売新聞のインタビューに応じたプーチン大統領が、北方領土の引き渡しについて「ロシアに領土問題はない」と言い放ち、さらに安倍政権を恫喝までしているからだ。もはや、領土問題は「ゼロ回答」に終わり、経済支援だけ食い逃げされるのは確定的である。 来日直前に発したプーチン発言は強烈だ。 〈第2次大戦の結果は、しかるべき国際的な文書で確定している〉と、北方領土は国際的にロシア領として認められていると強調。しかも、日本が経済支援をしても譲歩しないつもりだ。安倍首相が提案した8項目の経済協力プランについて〈(平和条約締結の)条件ではない。必要な雰囲気づくりだ〉と、領土引き渡しには
【モスクワ=花田吉雄】ロシアのプーチン大統領は15日からの日本訪問を前に、モスクワのクレムリン(大統領府)で読売新聞、日本テレビとのインタビューに応じ、平和条約の締結問題を中心に対日政策の基本方針を明らかにした。 プーチン氏は平和条約の締結には「条件整備が必要」と指摘し、山口県長門市での安倍首相との会談で、北方領土での「共同経済活動」や人的往来の拡大について合意を目指す考えを示した。プーチン氏はウクライナ情勢を巡り日本が行うロシアへの経済制裁を批判した。 プーチン氏は大統領府の「代表の間」で約1時間20分にわたり、読売新聞東京本社の溝口烈・編集局長と日本テレビ放送網の粕谷賢之・解説委員長の質問に答えた。 日本との関係について、プーチン氏は「完全な正常化を求めている。平和条約がない状態が続くことは時代錯誤だ」と語った。そして平和条約の締結交渉で「日ソ共同宣言」(1956年)を基礎とする
天国から地獄へ——ほんの数日前に「トランプに会った唯一の首脳」ともてはやされた安倍首相の外交戦略が、一瞬にして頓挫した。そのとき、首相官邸で起きていたことは。内実をレポートする。 赤っ恥をかいた安倍首相 「まさに、青天の霹靂だった。トランプは、何てことをしてくれたんだ。ブエノスアイレスで一報を聞いた(安倍)総理の顔は引きつり、言葉も出なかった……」 こう証言するのは、ある外務省関係者だ。 日本時間の11月22日午前7時19分、安倍晋三首相がブエノスアイレスで、ニューヨークの「トランプタワー」訪問、ペルーでのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)、アルゼンチン公式訪問を総括する記者会見に臨んだ。 安倍首相は、「APECは30年近く前に日本が提唱して始まった」と前置きして、今回の成果を誇らしく述べた。 「決して内向きになってはいけない。それが今年のAPECの最大のテーマだった。TPP(環太平洋パ
北方領土の国後島と択捉島で、ロシア軍が最新鋭のミサイルシステムを配備したと、11月22日にインタファクス通信が伝えた。 PRIMORYE TERRITORY, RUSSIA. APRIL 21, 2016. A Bal coastal missile system launches a Kh-35 anti-ship missile during exercises held by Russia's Eastern Military District units at Klerk range. Yuri Smityuk/TASS (Photo by Yuri Smityuk\TASS via Getty Images)
ロシアとの北方領土交渉をめぐり、歯舞群島と色丹島の返還合意で平和条約を締結し、残る国後、択捉両島は将来の課題として先送りする「二段階論」が政府内で浮上している。 北方領土問題の解決に強い意欲を示す安倍晋三首相は11月にペルーで、12月には地元の山口県長門市にロシアのプーチン大統領を迎えて会談する。四島一括での返還合意にこだわらない柔軟な姿勢で臨み、領土問題の活路を見いだしたい考えだ。 複数の政府関係者によると、国後、択捉両島は当面、両国政府の共同管理とし、協力して開発や経済振興に取り組む案などが検討されている。日本から旅券や査証(ビザ)なしでの訪問も拡大し、交流を促進する。両島の返還については、時機を見て話し合いを行う。 歯舞群島と色丹島の先行返還が実現すれば、日本の排他的経済水域(EEZ)が拡大することになる。政府は領土交渉と併せて漁業権についても議題とする方針だ。 旧島民や保守
【モスクワ=関根和弘】日本とロシアによる初の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を前に、岸田文雄外相はロシアのインタファクス通信のインタビューに応じた。岸田氏は北方領土問題について、プーチン大統領が提唱した「引き分け」による解決に賛成すると述べた。また、両国の安全保障分野での協力拡大を訴えた。 インタビューの一部は1日付のロシア紙「独立新聞」でも紹介されている。 北方領土問題について、岸田氏は「プーチン大統領が述べた『引き分け』による解決に賛成する。つまり、勝者も敗者もない形である」とした。このほか、安保分野での日ロ協力の拡大は地域の平和と安定に貢献すると指摘。「協力の中には、自衛隊とロシア軍の合同演習の拡大も含まれる」と語った。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く