南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の日報で現地の「戦闘」が報告されていた問題に絡み、稲田朋美防衛相は8日の衆院予算委員会で「戦闘行為」の有無について、「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」と述べた。 PKO参加5原則では、紛争当事者間の停戦合意が参加の条件で、「国際的な武力紛争の一環として行われる、人を殺し、または物を破壊する行為」という、政府が定義する「戦闘行為」があった場合、自衛隊はPKOに参加できない。稲田氏の発言は「参加ありき」で現状を判断しているとも受け取られかねない内容だ。 民進党の小山展弘氏に答えた。稲田氏は一方で、日報で報告された昨年7月に大規模な戦闘について、「法的な意味における戦闘行為ではない」との従来の政府見解を述べた。 また、防衛省が現地部隊の報告文書をいっ
<民族間の対立激化で全国的な戦乱拡大は必至。PKO増派も武器禁輸もやるだけ無駄なのか>(写真:南スーダン独立の立役者となったスーダン人民解放軍〔SPLA〕は今や新たな戦闘に忙しい) 南スーダンの政治・治安情勢は著しく悪化しており、組織的なジェノサイド(大量虐殺)の危険性が高まっている――。国連安全保障理事会の専門家パネルがそう警告したのは、先月半ばのこと。これを受け、ついにアメリカは南スーダンへの武器禁輸決議に向けて動き出した。 だがそれも、もはや手遅れかもしれない。11年に誕生した南スーダンでは、3年前に内戦が勃発。国外から入ってきた大量の武器や弾薬が、政府軍はもとより反政府組織や市民の間にも行き渡り、12月の乾季を前に戦乱拡大は必至の状況になっているのだ。 これに対してアメリカのオバマ政権の対応は迷走している。ジュネーブの国連人権理事会に派遣されているキース・ハーパー大使は先月末、「南
混乱が続く南スーダンを視察した国連人権専門家調査団のメンバーは11月30日、首都ジュバで報道陣の取材に応じ、政府軍と反政府勢力の双方が子どもを含めた民間人らを戦闘員として強制的に動員し、「次の戦闘の準備をしている」と指摘。「民族間の緊張と暴力が、全土で前例のないレベルに達している」と警告した。地元メディアが伝えた。 調査団は10日間、同国内を視察。乾期が始まって移動が容易になることから、戦闘の激化が予測されるとした上で、「(視察中に)報復を求める声を繰り返し耳にした。南スーダン人としての一体感は崩壊しており、民族意識が渦巻いている」と語った。 ジュバではここ数日、戦闘が再開されるのではないかとのうわさが市民の間で流れ、空港や政府庁舎、国連施設周辺を政府軍兵士らが厳重に警備するなど緊張した雰囲気に包まれている。国連宿営地に隣接する国内避難民保護区では、戦闘の再発を恐れ、国外施設への移送を求め
【ジュバ村尾哲】稲田朋美防衛相が8日、国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊施設部隊の活動状況を視察するため、南スーダンの首都ジュバを訪れた。現地の政府高官や国連南スーダン派遣団(UNMISS)幹部は首都の治安が改善していることを訴え、インフラ整備に対する日本の支援に期待感を表明。武力衝突が起きた7月以降、自衛隊が控えていた国連施設外での活動再開に向けた調整も進んでいる。 南スーダンでは7月、大統領派と当時の第1副大統領派の武力衝突が起き、日本の国際協力機構(JICA)の職員らが国外へ退避した。政府は11月に派遣する交代部隊に対し、安全保障関連法に基づいて「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の新任務を付与すべきか検討しており、現地視察はその判断材料となる。稲田氏の滞在時間は約7時間に限られ、安全確保に万全を期すためとして報道関係者の同行も4人に限っての代表取材となった。 稲田
臨時国会は30日、論戦の舞台が衆院予算委員会に移った。民進党は稲田朋美防衛相に集中的に質問を浴びせ、防衛相としての資質を問うた。審議は再三にわたって中断し、稲田氏の代わりに安倍晋三首相が答弁に立つ場面もあった。 民進の辻元清美氏が追及したのは、2011年3月号の雑誌「正論」の対談で稲田氏がした「長期的には日本独自の核保有を単なる議論や精神論ではなく国家戦略として検討すべきではないでしょうか」との発言。 辻元氏が発言の撤回を求めると、稲田氏は「今、核保有はすべきではないと思っている」と答弁。辻元氏は「『今は必要ない』はあいまい。国際的な信用をなくす」と迫った。稲田氏は「核のない世界に向けて全力を尽くす」と繰り返し、撤回には応じなかった。 さらに、辻元氏は「自国のために命を捧げた方に感謝の心をあらわすことができない国家であっては防衛は成り立たない」と言う稲田氏が、今年8月15日にあった政府主催
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