九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)で事故が起きた際、三十キロ圏の住民が一時避難する放射能シェルター整備で、九電の関係会社六社が全体の約三割に当たる計約十四億円の業務を受注していたことが本紙の調査で分かった。玄海町長の弟が経営する地元の建設会社も受注していた。法律に基づき整備は全額、国費で進められており、九電の関係会社は税金による施設で利益を得る構図になっている。(荒井六貴) 玄海原発のシェルター整備は二〇一二年度に始まった。離島などの体育館に放射能フィルター付きの蛇腹式テントを設置したり、学校の教室を二重サッシにしてフィルターを取り付けたりしてきた。費用は全て国費で賄われるが、発注者は自治体や社会福祉法人だ。 本紙は玄海原発の周辺取材で、九電の関係会社が多数のシェルター整備を受注しているとの情報を把握。発注した福岡、佐賀、長崎の三県の六市町と社会福祉法人に、情報公開請求や聞き取りをした。